無駄を削ぎ落としたBrave登場
Brave Originは、AIアシスタント(Leo)や暗号資産ウォレット、VPN、Brave Rewardsなどの「付加機能(いわゆる肥大化・bloat)」を徹底的に削ぎ落とし、純粋な広告ブロックとプライバシー機能(Brave Shields)だけに特化した軽量版ブラウザとして登場しました。
今日現在のレートで$59.99は、9702円です。これは高いのでしょうか?安いのでしょうか?
Linuxだけ無料なのはなぜか
Linuxコミュニティはこうした「不要な機能の同梱(bloat)」に対して特に敏感で、コアなオープンソース精神を重視する傾向があります。また、Linuxユーザーは自分で設定をカスタマイズして軽量化することに長けているため、Brave側があえてアカウント登録も不要の「完全無料」として提供することで、Linuxコミュニティからの支持やフィードバックを得る戦略をとっています。
その他のOS版は有料で、無駄を無くしますよと言うことですが、私はとても矛盾を感じます。
- 通常の製品は、機能が増えることで値段が上がるのが普通
- ベーシックなものよりも高度な機能が使えることが価格の上昇の理由となっている
どんなものでも普通はこうですよね?しかしBraveは「無駄を削ぎ落とすので約1万円払ってくれ」というわけです。ここで考えられるのは、このBrave Originに皆が移ってしまえばこれまでのブロート(無駄)部分の収益が無くなってしまうので、買い切りにはその分の費用も上乗せして「よろしく!(キリッ)」という感じなのでしょう。
しかし考えてみてください。その理屈は筋が通っているように見えるけれども、従来のBraveの設定でoffにすれば同じ事なのに1万円払ってくれというわけです。
Braveは元々広告などの収益があったはずです。で、現状もBraveは同じようにあり「無駄な機能がいらない」と言うだけのユーザーに対して1万円払ってくれと言います。それってユーザーがBrave Originに全移行されたら収入はなくなるけれども、一部ユーザーが移行するだけで、その間も広告収入などはあるわけですよね?それって二重取りなのでは?
Braveの良いところを見直してみよう
Braveは広告ブロックができる機能があります。これは拡張機能などと違いブラウザにネイティブに実装されています。つまり圧倒的に速く、拡張機能が機能する前から広告をブロックできるなど素晴らしい機能です。これのおかげでどれだけのインターネットトラフィックが無駄にならずにすんだのかを考えるととても意味があるものでした。
速度や処理の軽さなどは拡張機能と比較にもならずとはいいつつも、拡張機能でもできるわけです。
その1点だけでも価値があるとして多くのユーザーがBraveを選んでいることは知っています。しかし、その1点に対して1万円の価値があるでしょうか?なぜなら、それを取り除いたらChromeと同じじゃないかと。
では他にAIやウォレットがユーザーにとって価値があったでしょうか?AIであれば、ChatGPT、Gemini、Claude、Grok等様々なものがあるわけです。その中にLeoの名前が挙がることはあったでしょうか?
しかし1万円という価格の背景には、BraveがAIやウォレット、広告などの収入がそれに近いぐらいあった、あるいはそこまでではないが皆が従来のBraveを使ってくれれば源泉となりえたということです。
「Braveは肥大化して暗号資産のゴミが付いた最悪のブラウザになった」と批判する海外のギーク層(Redditなど)に対し、「じゃあ、要望通りそれらを完璧に削ぎ落としたクリーンな製品を作りましたよ。ただし、僕らもボランティアじゃないので、その代わりの開発費は直接払ってくださいね」という、一種のカウンター(開き直りとも言えるポーズ)として提示された側面が強く感じられます。
どうしたら皆が納得して支払えるのか
まず第一に価格を下げるということです。半額にしてもまだ高いと思う人もいるでしょう。そうすると通常のBraveを使ってもらえなくなってしまう可能性も出てきます。
最も良いのは
Brave2と称して、Chromeベースながらモダンで使いやすいUIに刷新して、新しい物を出してより良くするという姿勢が必要だったのではないでしょうか。
広告ブロックは、他の拡張機能でも代替ができるもののブラウザにネイティブ実装されて拡張機能とはわけが違うものでした。同様に、例えばAIを用いて、
- ブックマークの自動整理やカテゴライズ
- サイト自体の正確な自動翻訳
- Amazonなどの価格をチェックするとTABを開いていればわずかなトラフィックでその変化をチェック
- パスワードの生成管理
など、AIを有効利用することもLEOがあることから可能だと思います。小さなLLMとWebのクラウドも併用してBraveというメーカーが責任を持って拡張機能の代替ができるのであれば、誰やと知らないユーザーの拡張機能を導入せずとも信頼が置けるメーカー製のもので使用できるわけです。
それらをBrave2として出すために旧Braveはこのまま続行し、かつブロートを取り除いたシンプル・軽量なブラウザが必要なユーザーにも開発費用としても例えば小遣い程度支援してもらえるようにすれば、高額を求めずとも喜んで支援してもらえる可能性もあったのではと思うわけです。
しかしメーカーとしては拡張機能をトッピングしてもらう方が開発費用もかからずお手軽にブラウザができるわけですからその方向には力を入れないと言うのもわからなくはありません。
少なくとも、従来のBraveはブロートな部分をオフにはできないが軽減できるようにしておかないと、設定でオフにしたら同じことじゃないか、始めから設定をオフにしたというだけで1万円は高いだろと言われてもしょうがないとも思います。
いずれにしてもそれらで得られる資金は次期Braveのために使うと言う意思表示が必要だと思うのです。
まとめ
もしBraveが「Brave 2」として大幅なリニューアルを謳い、
- Chromiumベースではあるが、UI/UXをモダンで高速な独自設計に刷新(まさにRust製の軽量エディタや次世代ツールの思想に近い方向性)
- 旧来の肥大化したWeb3や広告機能のプロセスを根本から排除し、パフォーマンスを劇的に向上
- その「圧倒的な軽さと新しい操作性」の対価として$59.99を請求する
というアプローチを取っていれば、市場の受け止め方は180度違っていたはずです。「機能を削っただけのブラウザに1万円」ではなく、次世代の、極限までチューニングされた高性能ブラウザへの投資として、喜んで財布を開くパワーユーザーやギーク層が続出したでしょう。
しかし、今回のBraveがやったことはその真逆で、中身(UIもコアも)は今までの通常版と全く同じで、単に機能のON/OFFスイッチのデフォルトを『OFF』にして、別パッケージとしてビルドしただけという、開発の手間を最小限に抑えた手抜き仕様に見えてしまいます。
だからこそ、ユーザーは「進化」を感じられず、「手抜きで二重取りしようとしている」という透けて見える思惑に怒りや疑問を覚えるわけです。ユーザーが納得してお金を払うのは怠慢の対価ではなく、価値の対価(新しく作り直して、圧倒的に良くなった)に対してです。
私も以前はBraveを使用していました。しかしもう肥大化していくブラウザは必要ではなくなりました。
声を大にして言います。HeliumがBraveの本来目指していたことを体現しています。
機能が豊富というのはそれだけで何でもできるオールインワンな環境ですが、便利さを引き換えに重量級の無駄を生んでいるのです。普段はHelium、DRMコンテンツを見る時だけChromeなりを使い分ければいいじゃないと。
最初の問いで、$59.99(今日現在のレートで約1万円)は、ビジネスとしての意味はわからなくはないが、私はその姿勢が不十分と感じるため高いと思っています。