EdgeだとかBraveだとかで迷ってるならこれで行こう!Heliumが全て解決

ブラウザにAIの内蔵はいらないし、無駄な情報は送られたくもない。ましてや広告もブロックして欲しい。なのにシンプルがHeliumだ

Hidekichi

Webブラウザってどれがいいの?

Webブラウザってどれがいいの?とインターネッツではよく聞きます。どれでも好きなの使えばいいじゃないかというのが私見ではあるものの、現在の多くのWebブラウザはChrome系とFirefox系のいずれかの系統のブラウザが主流です。
Webの最新機能はChrome系の方が実装が早いわけですが、結局モダンブラウザと言うとこれらを指していて、Edgeもマイクロソフトの自社エンジンを諦めてChromeの派生ブラウザになりました。

しかし、ここでベースはそれぞれの元になるものと同じながら味付けが結構異なっていて、Chromeの基本機能に独自の外見やAIを搭載するなど色々があるわけです。

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Heliumとは?

プライバシーを最優先にしたオープンソースのWebブラウザで、Chromiumをベースに、Googleのトラッキングやテレメトリーを完全に排除したungoogled-chromiumを基礎として構築されており、デフォルトで強力なプライバシー保護を提供します。

テレメトリーとは
遠隔地や手の届かない場所にある測定器(センサー)から、有線・無線などの通信を用いて、データを自動的に収集・送信する仕組みや技術のことです。例えば使用情報(検索語句から興味のあるものを調べたり、使用機器の情報、OSや使用メモリ等)を送信するというのもそうだろうと思います

主な特徴として

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Braveと比較されることが多く、「Braveが目指した理想形」「Braveよりシンプルでブロートがない」と評価されています。Chromeの拡張やサイト互換性を保ちつつ、Googleの影響を最小限に抑えたい人に特におすすめです。
まだベータ版段階の部分もあり、DRMコンテンツ(Netflixなど)はWidevine非対応のため再生できませんが、日常的なブラウジングでは軽快でプライバシーが強いブラウザとして人気が出てきています。

対応プラットフォーム:macOS、Windows、Linux
公式サイト:https://helium.computer/

広告ブロックとCookieのブロック

Heliumはデフォルトですべての第三者Cookie(third-party cookies)をブロックしており、広告・トラッカーもuBlock Originがネイティブ統合されているため強力にブロックされます。これにより、多くのサイトでCookie関連のエラーが発生する可能性がありますが、ブラウズに必要なサイトごとにオン/オフ(例外設定)することは可能です。

Heliumはフル機能のuBlock Origin(Manifest V2版) をブラウザのコンポーネントとしてビルド時に組み込み、ネイティブコンポーネントのように動作させています(パッチで拡張APIを強化)。
これにより、uBlock Originの完全な機能(詳細なフィルタリング、動的ルール、エレメントピッカー、カスタムフィルターの豊富な設定)がデフォルトで利用可能。Brave Shieldsより柔軟性・カスタマイズ性が高く、ブロック精度も高いと評価されることが多いです。「unbiased(偏りのない)ブロック」を強調しており、Braveのように自社広告のための例外がなく、純粋にコミュニティフィルター中心。

懸念点としてはManifest V2依存のため、将来的にChromiumが完全にV2を廃止したら維持が難しくなる可能性あり(開発者は「可能な限りサポート」と表明)。

BraveはuBlock Originを直接使っているわけではなく、uBlock Originのフィルターリストや仕組みを強く参考にした独自のShieldsをブラウザのコアレベルでネイティブ実装しています。拡張機能とブラウザのコンポーネントとして動作するのとでは全然違います。
パフォーマンスとしては、より効率的・高速で、ブラウザコアレベルで早期ブロック可能、メモリ/CPU負荷も低減されます。ブロックの精度も拡張機能のAPIの制限を受けず、ネットワークリクエストの深いレベルでブロック(拡張APIが監視できないものも対応)します。
Manifest V3では、拡張機能のuBlock Originフル版がChromeで使えなくなりますが、ブラウザにネイティブに搭載されているとそれらの制限がないわけです。前述した通りManifest V2をChromiumが完全に廃止したら維持が難しくなる可能性があるのが問題ですが、作者はできるだけ存続できるようにするとしているのと、場合によっては別のものを入れ替えがあるかも知れません。

カスタマイズについて

私の場合、フォントをいつも使ってるものに変えて、拡張機能もDark Reader、Stylusを入れたぐらいで他に何も設定しなくてもそのままで使える印象です。しかしいくつかカスタマイズしても良い場合もあるのでそれらを紹介します。
デフォルトが優秀なのであまり変更するところはありません。むしろシンプルで使うのが良いとも思います。しかし全くカスタマイズできないわけではなく色々と追加したり、オプションON/OFFでそこそこ人とは違うものにできる可能性は高いです。

必須級のflags(実験的機能)設定

アドレスバーにhelium://flags/と入力してアクセスし、helium-cat-uiを検索し、Enabledにします。すると元よりももっと超コンパクトなUIモード(CAT layout)になります。
タブとアドレスパーが一体化して画面スペースが最大化。

アドレスバーにhelium://settings/performanceでアクセス。設定のメモリーセイバーをMaximum memory savingsに設定。RAM使用量がさらに減り、長時間タブを開きっぱなしでも軽快に。

オススメの拡張機能

Heliumはブロートゼロなので、必要に応じて追加が鉄則。

ブロートゼロとは
ブロートは誇張と言う意味で、ブロートゼロ、あるいはゼロブロートで誇張がない、つまり無駄なものがない、不要な機能がないと言う意味になります

パスワードマネージャは入れておくとよいかと思います。Bitwarden1PasswordProton Pass(ブラウザ内保存はデフォルトオフなので必須)。1Passwordを使う場合、アプリ側設定で「Heliumを許可ブラウザに手動追加」(macOS/Linux推奨)。

ダークモードにするための拡張機能も良いかと思います。Dark Readerとか他にも色々あります。

Youtubeをよく見るのであれば、広告削除をONにすると対策されているので動画が再生されないかも知れませんがそれ以外の不要な見た目や機能を非表示にしたりするのに便利なUnTrapはとても便利です。

あと入れるとしたらWebサイトを自身の簡単なcssで改造できるStylusやマウスジェスチャーでcrxMouse ChromeCircle Mouse Gesturesも良いかと思います。
なるべく厳選して入れすぎないように注意して下さい。

まとめ

もうこれがあればしばらくはEdgeとBraveどっちがいいの?という論争はなくなります。Heliumのダウンロードサイズは110MB~130MB程度でBraveもインストーラーは127MBとたいして変わりませんがインストールした後はかなり肥大するかと思います。1~2GBになることもあるかと。Heliumは400MB~1GB程度になるかと思いますがだいぶ軽量であると言えると思います。
HeliumはBraveがたどってきた「プライバシー重視だが多機能化(肥大化)していく」という道に対するカウンターとして開発されています。Edgeは調べるだけ無駄なので調べてません。

巷では、ChromeかFirefoxかで論争が起こりますが、するとだいたいbraveがあるじゃないか、Edgeで十分という人が現れます。しかし、個人的にはChrome系はHeliumが代表で、Helium vs Firefox と言う対立であるべきだと思います。

Firefoxの意義は、Google一社の独占を阻む唯一の主要な独自エンジンで、Webの多様性を守るために価値があります。
Heliumの意義は、Chromiumベースでありながら、Googleの追跡コードやBraveのような収益化機能(ブロート)を完全に排除した「最も誠実なフォーク」であることです。
この議論は、「エンジンが違えばいいのか(Firefox)」、それとも「余計な機能や通信が一切ないことが正義か(Helium)」という、プライバシーの定義を問うものになります。

Braveが論争の主役になれない理由としては、収益モデルの存在があり、仮想通貨(BAT)や独自の広告配信、VPN販売など、ブラウザ自体が「ビジネス」になっています。更にAIやウォレットなどが「ブロート」化しており、これを嫌う層にとっては「Chromeの代わりにはなっても、究極のブラウザではない」と見なされます。

これを踏まえて、「Braveがあるじゃないか」という介入は、利便性や機能性を求める一般的な回答であるわけですが、「ブラウザはユーザーに代わって余計なことをすべきではない」という哲学に立つならば、Helium(究極の引き算)か、Firefox(独立した選択肢)かという議論こそが、真にインターネットの未来を考える人たちの論争にふさわしいと言えるでしょう。

足していくのは機能拡張で良いのです。そのためのものです。引いていくことが大事であって、OSにしろソフトにしろシンプルであって思ったことが思うようにできることが大事ではないでしょうか?ファイルを右クリックしたら出てくるメニューはシンプルかつ効率的であるべきです。決して機能を上乗せして不便にすることではないと思います。

私がHeliumを進める理由はこういう所です。

そして、2026年、新しいWebエンジンを積んだブラウザが生まれます。名前はLadybird。最初のアルファ版がリリースされます。2027年にベータ版が出て、一般的に出回るのは2028年になると予想されています。
これはLibWebと言う新しいレンダリングエンジンと、LibJSと言う新しいJavaScriptエンジンを全てゼロから新しく作られる第4のエンジンのブラウザです。ブロートゼロを体現する非営利モデルであり、収益化の否定をし、寄付とスポンサー(CloudflareやGitHub創設者など)によってのみ支えられている純粋なブラウザでMozillaと同様に非営利団体「Ladybird Browser Initiative」によって運営されます。

Ladybirdは、多くのユーザーが理想としながらも実現が困難だった領域に挑んでいます。Ladybirdが登場することで、

というような対立の構造になります。

AIブラウザがどうなるかにもよりますが、基本的に有料であるため、そのコストの維持のためどうしても収益が必要になります。なのでAIブラウザが入り込んでくるとそれは議論の軸がぶれはじめて、ブラウザどうのよりもAIを使用するためのコストをどうするか、AIの小型化やデータ共有のビジネスモデルの話になっていきそうなのでブラウザ自体の議論ではなくなります。なのでここでは割愛します。

優秀なブラウザとはなにかを議論する時、結局のところ、最も重要な問いは「そのブラウザは誰のために動いているか」ではないでしょうか?

もし使用する人が「ブラウザはユーザーの手足であるべきだ」と考えるなら、HeliumやLadybirdのような「ブロートゼロ」で「独立したエンジン」を目指すものが、究極の優秀なブラウザになります。一方で、「ブラウザはWeb体験を最大化するサービスだ」と考えるなら、最新AIを統合した多機能ブラウザが最も優秀に見えるでしょう。この「哲学の不一致」を認識することこそが、議論を深めるための出発点になるでしょう。

それらは別のポジションにあるのだと思います。例えば、道路を走るのに車にするかバイクにするかみたいな。
個人的にはどっちも使えばいいじゃないと言うのが答えです。しかし、バイク(ユーザーの意志のために動いているのか)でのブラウザの話になれば、現在一番のおすすめはHeliumです。

https://youtu.be/FzVfBL282SE

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