現在の環境を考えてみる
単位の話
例えばインターネットの速度で1Gbpsとか色々とありますが、これはbit per seconds
、つまり0もしくは1を1秒間に1G(10億)分のデータが送れるという事です。これはとても多くに思いますが、通常はbyteでデータの量を表します。
1byte(バイト)は8bitなので10億÷8で1億2500万byteのデータを送れますが、byteはKB(キロバイト)やMB(メガバイト)というのがより一般的な量としてわかると思います。
すると、1億2500万を1000で割ったりして12万5000KB/s、であったりそれをまた1000で割ることで、125MB/sであるとわかります。
という前提をまず書いておきまして、Youtubeで4K動画を再生できるPCがあるとしてそれらに必要な回線速度はどれぐらいかを考えると、
4K@30fps で 約20Mbps
4K@60fps で 約25Mbps
と言われています。バッファ無し(読み込み遅延無し)で50Mbps以上は欲しいと言われます。これらはやはりbpsで書いてあるので、つまりは8で割って、3.125~16.6MB/sぐらいのデータを処理できる通信回線が必要になります。
つまり一般的な光回線であればおおよそ間に合いますが、100Mbps(12.5MB/s)でも高フレームレートだとややつらいが可変ビットレートを使用したりバッファもあるため条件は色々かわりますがおおよそ視聴できると思われます。ただ、快適に見ようとすれば、300Mbps~500Mbpsはあると良いとされます。
ベストエフォートと言う仕組みのため、理論的には500Mbps可能であってもそれよりもずっと遅い回線を使用することもあります。これらは水道などの仕組みと同じことで、風呂場で全開に水を出している時に台所で水圧が下がったり、あるいは家単位では大丈夫ながら、マンションなどで他の部屋が同じ時間帯に一斉に風呂に水を貯めると水圧が下がるように、1つの回線を利用者で分けているため、他の人が使用していない場合は快適に使えるわけですが、皆が一斉に使ったり、あるいは誰かが巨大ファイルをずっとダウンロードしてたりすると、他の人は回線速度が落ちることになります。
つまりベストエフォートとは、可能な限り最大の性能を提供するが、最大の性能を保証するものではないという事です。
たいていここまでの説明はどこでもあるわけです。それを解決するための答え、それらをどうすればよいかはすでに書いてあります。つまり、他の人が使用していない場合は快適に使えるという事です。
どんなルーターが良いかと問われたりしますが
混み合わないようにするためには、
- 専用回線を引く
- IPv4からIPv6に移行する
と言う方法がありますが、企業でもないわけですから専用回線は無理ながら、IPv6はできそうです。費用はかかりますけども。
IPv4からIPv6に移行するにはプロバイダ側とルーター・PC側の設定の側面があります
プロバイダ側では、IPv6ネイティブ(IPoE方式)は高速で安定しており、IPv4の通信もIPv4 over IP6(MAP-E、DS-Lite)でカバーしていたりします。これらは、
- フレッツ系ならv6プラス(MAP-E)、transix(DS-Lite)
- auひかりならIPv6オプション
などがあります。もちろん他にも色々とあると思いますがトンネル方式のもの、6rdや6to4などがあり、これらはIPv4回線上に仮想的なIPv6通信経路を作ってIPv6で通信を行います。
速度は遅めで不安定だとも言います。またIPv4の混雑の影響も受けるために、現在ではほとんど提供されてないですがなるべくなら使わない方が良いと言われています。
更にIPv6 PPPoE方式もあります。これはOCNやBIGLOBEなどが提供していますが、従来のPPPoE方式なので速度面であまり期待はできないとされています。
つまりこのPPPoEという方式、つまり認証サーバーを通って通信ができるようになる方式はこのサーバーのせいで遅くなっていると言っても過言ではないので、なるべくなら避けたいところです。
ルーター側ではもちろんのこと、IPv6対応である必要があります。v6プラス対応やIPv6 IPoE対応とあるルーターならもちろん問題はありません。
最近のルーターは昔ほど難しくはないので回線をIPv4からIPv6に買えるだけで自動的に変わるとは思いますがIPv6テストなどで調べたらすぐにわかります。
PCやスマホは基本的には自動で対応しますが、フリーDNSに変更している場合はそれらのIPv6バージョンに変える必要があります。Googleの場合は次のような感じです。
IPv4 | IPv6 | FQDN | |
---|---|---|---|
優先DNSサーバ | 8.8.8.8 | 2001:4860:4860::8888 | google-public-dns-a.google.com |
代替DNSサーバ | 8.8.4.4 | 2001:4860:4860::8844 | google-public-dns-b.google.com |
IPv4 PPPoEでインターネットを繋いでいる場合はそれらで混み合って速度が出ていないのでルーターを変えても劇的な変化はないのでまずはその混み合っている環境を改善するというのが先決になるかと思います。
無線ではどうか?
無線の場合、2.4GHz帯と5GHz帯があり、
- 2.4GHz帯は電波が遠くまで届き、壁や床を通り抜けやすいので速度を犠牲にして比較的遠くでもインターネットを使用できる環境にできるという長所があります
- 5GHz帯では混雑しにくく速度も速いと言う長所があります。
こういった事からルーターの近くであれば5GHz帯が速度も速くて安定していると言えますが、ノートPCを移動しながら使うとか、なるべくルーターから離れた場所や障害物があるような所では2.4GHz帯を使う方が良い場合があります。
ルーターの設置場所ではどうか?
ルーターを設置する場合はなるべく家の中央で、障害物の影響を避けるため1~2mぐらいの所に設置するのが良いとされます。カーペットや水分があるような場所は電波に影響を与えやすいのでなるべく高めに。
また金属や電波の干渉する機器の近くを避けて置くのが良いとされます。電子レンジや冷蔵庫の近くを避けて、また電話やBluetooth機器も避けたいところです。
金属は例えば鉄筋が入っている壁の近くも避けるべきですし、隠したい気持ちはわかるものの棚やキャビネットの中も避けるべきです。見えなくするという意味では高い場所がやはり良いかと思います。
アンテナは垂直と水平(あるいは斜め)に調整して全体的に電波をまんべんなく分散させられるように調整も必要かもしれません。
つまりこれらをして更により高速で安定した通信を行いたい場合に良いルーターを用意すべきなのです。高価なルーターがあればそれだけで速くなるということはなく、まずは回線を速いものにして、それに準拠した設定も施し、更には機器を置く場所も考慮する必要があるという事です。