Linuxディストリビューションの2025年の総括と2026年への展望

今年1年でLinuxのディストリビューションはどういう変化があったのかを色々総まとめ

Hidekichi

2025年、話題になったディストリビューション

個人的にはディストリビューション自体よりもHyprlandやNiriなどのタイリングウィンドウマネージャー(コンポジター)が目につきました。従来のフローティング、スタック型のウィンドウマネージャーより、自動でタイリングされることに対する便利さもありながら、反応速度も速く慣れれば快適に操作が可能になります。もちろんフロートさせたりも可能で、設定がやや難しいというのはありながらそれらを簡単により良く見せるためのRice環境なども多く登場しました。

Rice環境(dotfiles)をいくつか紹介

2025年、特にHyprland(および一部niri対応)のdotfilesコミュニティでは、自動インストールスクリプトの充実、壁紙ベースの自動テーマ生成(Matugenなど)、Quickshellベースの統合シェル、デスクトップ環境風のGUI設定ツールがトレンドとなりました。DankMaterialShellのような統合型シェルも注目を集めています。

dotfiles(ドットファイル)とは
ファイル名やディレクトリ名が「.」(ドット)から始まる隠しファイル/ディレクトリの総称です。これらはUnix系OS(Linux、macOSなど)の伝統的な仕組みで、主な役割はアプリケーションやツールの設定(configuration)を保存することです。ホームディレクトリがごったにならないように隠しファイルとなっています。設定ファイルは通常めったにいじらないので目立たないようにする慣習です。

ML4W Dotfiles (My Linux 4 Work by Stephan Raabe)

ML4W Dotfiles

デスクトップ環境風のフル機能な体験を提供しています。GUI設定アプリ(テーマ/キー設定/パネルカスタム)、ウェルカムアプリ、壁紙自動適応テーマ(Material You風)、ダーク/ライトモード切り替えが標準総日。初心者からプロユーザーまで対応し、Arch/Fedora/openSUSE向け自動インストーラー(Flathub対応)あり。
2025年のアップデートでグローバルテーマショートカットや通知レイアウト強化が話題に。生産性重視の「仕事向き」セットアップとして最も人気。

https://youtu.be/fGHg21grS2E
https://youtu.be/4YnveRCvHYY

JaKooLit/Hyprland-Dots

JaKooLit-github

複数のディストリビューション向け自動インストールスクリプトが充実(PPA対応で最新Hyprlandなど)。テーマ選択可能、waybar/rofi/kittyなどの統合が美しく、初心者がすぐに美麗デスクトップを実現。
2025年も継続更新で、NVIDIA/AMD対応の安定性が評価され、UnixPornやRedditで頻出。シンプルながらカスタムしやすいベースとして広く使われた。

PPA対応とは
主にUbuntu(や、その派生ディストリビューション)でPersonal Package Archive(PPA)をサポートしている、またはPPAを使ってソフトウェアをインストールできるように対応していることを指します。

UnixPornとは
主にRedditのサブレッド r/unixporn を指すコミュニティ/用語です。LinuxやUnix-like OS(BSDなど)のデスクトップ環境を美しくカスタマイズ(rice)したスクリーンショットを共有する場所で、視覚的に魅力的なセットアップを「ポルノ」のように楽しむというジョークから名付けられています(SFW: Safe For Work、つまりエロティックな意味ではなく、クリーンな意味)。

https://youtu.be/LZ7oB1xAL0s
https://youtu.be/5DEw_CrHgAA

DankMaterialShell (AvengeMedia/DankMaterialShell)

DankMaterialShell

Quickshell と Go言語で構築された統合デスクトップシェル(バー/通知/ダッシュボード/ロック画面を一元化)。Material Design風のダイナミックテーマ(壁紙から自動配色)、スクリーンショットツール内蔵、niri/Hyprland最適化(ワークスペース/モニター管理)。
2025年にv1.0リリースで爆発的人気、Waybar不要のミニマル&パワフルさが話題。Hyprland/niriユーザーから「ricedの新定番」と称賛された。

https://youtu.be/A4irkaiDO9E
https://youtu.be/iqYiCpDY54E

end-4/dots-hyprland

end-4/illogical-impulse

ミニマルでクリーン、端末重視の美学。自動インストールスクリプト、pywal/matugen統合で壁紙自動テーマ。
2025年のHyprland Wikiで推奨され、初心者向けの「黒画面脱出」セットアップとして人気。カスタムしやすく、UnixPornで頻繁に派生版が投稿された。

https://youtu.be/RPwovTInagE
https://youtu.be/N2f1r_O96Gc

以下のディストリビューションは、2025年のLinux全体のトレンド(Wayland完全移行、immutable(不変)の信頼性向上、新デスクトップ環境の登場)を体現しており、従来版からの技術的飛躍が特に大きいものです。他にもGaruda Linux(ビジュアル/パフォーマンス)やVanilla OS(immutable Debianベース)も注目されましたが、下記が最もインパクトが大きかったと評価されています。

1. Pop!_OS

Pop!_OS

System76が開発するUbuntuベースのディストリビューションで、2025年12月に自社開発のRust製デスクトップ環境COSMICの安定版のリリースを実現しました。これにより、GNOMEの拡張を超えたタイルウィンドウ管理、高度なカスタマイズ性、Waylandネイティブのスムーズな動作が大幅に向上。NVIDIA GPU対応の改善やゲーミング/開発者向けの最適化も進み、従来のGNOMEベースから大きく進化しました。

ただし新しいデスクトップ環境であるCOSMICはまだできたてであり、Ubuntuなどのように簡単に日本語環境を作れるわけではありません。本家Pop!_OSでは総合的に完成されていると思いますが((パッケージマネージャでもCosmicストアからもソフトの導入ができるので))本家とは違ってCOSMICを採用している他のディストリビューションでは各ディストリビューションのパッケージマネージャを使用してのIMEなどの導入、導入後の設定が必要になるので、初心者にとっては日本語環境を作ることがまず最初の関門かも知れません。

またCOSMICと付くアプリは設定(Cosmic Settings)以外で日本語を使うのが困難かもしれません(読めるけど書けない等)。Cosmicオリジナル以外のそれぞれに代用できるアプリはテキストエディターやターミナルなどFcitx5で正しく動作する物がほとんどなのでもうしばらくはそれらを使用するのが良いと思います。

2. CachyOS

CachyOS

Arch Linuxベースのディストリビューションで、2025年にパフォーマンス最適化が飛躍的に進みました。x86-64-v3/v4向けのカーネルビルド、高度なスケジューラー採用、自動ハードウェア検出ツールの強化により、特にゲーミングや高負荷作業で最高クラスの速度を実現。Waylandオプションの充実とローリングリリースの安定化も加わり、Archの利便性を保ちつつ「最適化されたArch」として大きく発展しました。

元々が初心者向けのディストリビューションではないのでArch系に不慣れな場合は別のArch系ディストリビューション(例えばEndeavourOSなど)である程度慣れてから移行するのが良いかと思います。比較的新しいPC向けでもあるので古いPC、Intelで言えば4世代以前のものには特に向きません。

3. Fedora

Fedora

Red Hatが支援して、培った技術を還元しているFedoraは、Waylandの先駆者として2025年にさらに成熟。HDRサポート、コンテナ統合の強化、immutable(不変)デザインモデルの標準化が進み、atomic updatesによる信頼性とロールバックの容易さが向上。最新カーネル/ソフトウェアの迅速導入とセキュリティ機能の強化で、従来のmutable(可変)ディストロからimmutable方向への移行が加速し、企業/開発者向けの技術的進歩が顕著でした。

mutable(可変)ディストロとは
従来のパッケージがシステムを変更・更新するような、つまりはWindowsのようなシステムで、ソフトがシステムを上書きあるいはファイルやディレクトリを削除したりして、本来必要なものが改変されてしまうようなものを言います。

Fedoraには、あるいは他のディストリビューションでもそうかも知れませんが、エディション、Atomicデスクトップ、スピンとカテゴリがあります、特に2025年現在、Atomicデスクトップが急速に主流化しています。

4. Bazzite

Bazzite

SteamOSインスパイアのimmutableゲーミングディストリビューションで、2025年にatomic updatesの安定化とゲーミング特化機能(HDR、VRR、Steam統合)の大幅改善が見られました。Fedora Atomicベースでロールバックの信頼性が高まり、Windowsからの移行ユーザー向けにプロプライエタリドライバ対応が強化。ゲーミングLinuxの市場シェア拡大に貢献し、immutableアーキテクチャの実用例として大きく発展しました。

プロプライエタリドライバとは
いわゆるメーカーが配布しているクローズトソース(非オープンソース)のドライバを指します。Linuxでの一般的な理解としてはNvidiaのドライバーを指していてAMD/Intelは基本的にオープンソースドライバで十分(Mesa最適化版が標準)です。

https://youtu.be/l-RKpBPL-88
https://youtu.be/ELgwI0wkkEA

これらの動画で言われていることは間違っていないけど間違っているとも思います。ゲームをするのであれば古いPCの救済は相反するものと言えます。
軽量であるがゆえに動きますがその古いPCでゲームができるか、あるいはLinux向けにそのPCで動作するゲームがあるだろうかと言う点があります。軽いゲームはあるかも知れません。しかし古いGPU(例: GTX 660M以前)だとProtonの互換性が落ち、パフォーマンス低下やグラフィック問題が発生しやすいと言います。

動画ではもう少し新しいGPUを使用しています。本当に古いそのPCで高負荷ゲームをするならWindowsの方が有利ですし、他のレビューでもそう言う事が言われています。YouTubeの動画は「Windowsからの簡単移行」を強調しがちですが、PCのスペック次第です。
古いのは古いけども現行ではない2~3世代前ぐらいがそれ当たるのではないでしょうか?10年近く前のPCであればそれでゲームすんの?スマホでいいやん、コンシューマ機でいいやんと多分なるのではないかと。

immutable/Atomicなものというのは「提供されている形で使う」前提で設計されているため、柔軟性が低いというのが最大の弱点です。ゲーム以外で使うのであれば不満が出るのは火を見るよりも明らかでしょう。
つまりはAndroidみたいなものです。アプリを使ってゲームもできるしちょっとした事もできるけどアプリの範疇でしかできない。何かをする時は何かを終わらせて動かす必要があるなどつまり、immutableは「万人向けの完璧なOS」ではなく、「特定の用途で最高の体験を提供するOS」 です。決してWindowsの代替にはならないが、Androidのような形でアプリを使うだけであれば壊れにくさやロールバックができる点などを含めてとても良くできているというだけのことです。

famicom

Nintendo Switch online

提供されているものの中でしか力を発揮できないので、提供されているベースの完成度がユーザーの満足度に直結しているとも言えます。
以前から色々な記事でimmutable/Atomicを説明する際にファミコンのようなものだと書いていますが、ファミコンはファミコンのカセットしか動かせないのに対して、Switchであれば物理カセットは使えなくなりますが、ダウンロードソフトやNintendo Switch Onlineでファミコンゲームもエミュレーションとして遊べますよね?しかも画面が美しく高速で、ゲーム中に何か問題が起きてもリセットすればすぐに元通り。
それがimmutable/Atomicディストロの特徴で、完成度の違いはまさにファミコンとSwitchの性能差のようなものです。

こういう点をよく理解しておく必要があります。

簡単に導入できて壊れにくいのはとても良いことですが、Linuxディストリビューション求めるものはそこでしょうか?そういうものがあるというのは選択肢の一つとしてアリですが、A/Bパーティション系(Vanilla/Blend/Obsidian)はもう少し柔軟性があります。CachyOSなどのBtrfs+Limineはロールバックできるが従来と同じ方式です。
CachyOSは敷居が高いがA/Bパーティション系でもまだ制限アリなので、この間のほどよくシステムを保護できてロールバックも容易でやり方によっては壊れないと言うもう少し柔軟だけれども堅牢というシステムの登場を待っていたりします

どういう進化があったか?

Waylandの全体的な成熟と移行加速があり、KDEが2027年以降Wayland-onlyを宣言し、他のDEも追従傾向にあります。NVIDIAドライバ(590シリーズ)で大幅改善もありました。

Linuxカーネルでは、Rustコードの増加、メモリ管理最適化が行われ、HDRメタデータ処理、動的トリプルバッファリング、入力遅延低減で、グラフィックス体験がX11を超えるレベルになりパフォーマンス向上(低消費電力、多モニター対応)も促進されています。
CachyOSではカーネル最適化(x86-64-v4、Propeller/AutoFDO使用)が進み、Bazziteでゲーミングツールの統合強化もありました。カーネルレベルで10-30%のスループット向上、低遅延スケジューラー(Anti-Lag 2、NTSync)。Proton-CachyOS/BazziteでFSR4/XeSS/DLSSアップグレード自動化、シェーダーキャッシュ最適化でゲームのスタタリング(カクつき)が減少したと言います。

Propeller/AutoFDO使用とは
実際の実行状況(どのコードがよく使われるか)を調べて、カーネルやプログラムのコードをより効率的に並び替え・最適化する技術です。

Fedora Atomicデスクトップ(Silverblue/Kinoiteなどのリブランド版)が標準化され、Bazziteなどの派生ディストリもこれを基盤に強化されています。Atomic updates(イメージベース更新)でシステムが壊れにくく、ロールバックが即時可能。更新失敗のリスクが激減したとも言われ、コンテナ統合(Podman/Distrobox)の強化で、アプリをシステム本体から分離。依存関係の競合がなくなり、開発/ゲーミング環境が安定しています。

ObsidianOSなどにみられるA/Bパーティションシステム

Fedora Atomicなどとは別に、A/Bパーティション(A/B partitioning)は、immutable(不変)OSの代表的な実現方法の一つで、システムのルートファイルシステム(/)を2つの独立したパーティション(AとB)に分け、交互に使用する仕組みです。
これはAndroid、ChromeOS、SteamOSなどで古くから採用されており、LinuxデスクトップでもVanilla OS、ObsidianOSBlendOSなどで取り入れられています。

現在使用中のパーティションを「Present(現行)(A)」とし、もう一方を「Future(未来)(B)」と呼びます。システムは常に一方のパーティションからブートします。アップデートは稼働していない方(Future)のパーティションに適用されます。現在稼働中のパーティションは一切触れません。
アップデートが完了したら、再起動時にブートローダーが稼働していない方に切り替え、現行側と未来側が逆転します。アップデートが失敗した場合、変更は一切適用されず、単に再起動して前のパーティションに戻せば元通り(ロールバック)。

こうすることでアップデート失敗でシステムが壊れるリスクがほぼゼロ。常にブート可能な状態が保証されます。ディスクスペースは2倍近く必要ですが、LVM Thin Provisioning(Vanilla OS)などで効率化可能。つまりはディスク容量が倍近く必要な分だけ安全とトレードオフなわけです。256GB以下のストレージでは扱いにくいですが、それ以上にストレージに容量があるのであれば積極的に採用したい安全なシステムです。
これらはCachyOSなどのように、Btrfs(ファイルシステム)とLimine(ブートマネージャ)を選ばずして、ex4(Linuxの伝統的なファイルシステム)でもロールバックを可能にすると言うことです。

ロールバックの方法が乏しい、あるいは「無い」ディストリビューションでは、最悪データのバックアップもしていないでしょうからデータも失ってクリーンインストールとなってしまいます。
システムが新しく入るのは悪いことではないですが、自身が作ったファイルや画像・動画、ダウンロードして保存したものが全部なくなることになったら一大事です。

Atomicシステムは、更新や変更が「すべて成功するか、一切適用されないか」の二択しかなく、中間状態(半壊れ)にならない仕組みを指します。Immutable(不変)と組み合わさることが多く、ベースシステムが読み取り専用で保護されます。Vanilla OS、ObsidianOS、BlendOS、SteamOSなどのA/Bパーティション方式もAtomicシステムです。
Fedoraが採用するのは少し違って、OSTree + rpm-ostree方式で、OSTreeでGit風にシステムイメージを管理して、更新は新しいイメージをダウンロード→展開→再起動で切り替えます。複数の過去イメージを保持可能でA/Bパーティションシステムより柔軟で先進的な方式となっています。

これまでで言えば、更新したりインストールして、依存関係が破綻したりして最悪ブートできない状態になるのが最悪のケースです。しかし、上記のAtmicな方式では稼働していない方に新しいイメージを適用して再起動かあるいはユーティリティーで切り替えたりして適用できますが、それが同じようにしてブート不能であっても元のスロットは更新を適用していないので以前と変わらず使用できるわけです。
アプリなどはFlatpakなどを使用して、システムの変更無くコンテナにインストールすることでホストシステムを汚染することはないと言う感じになっています。以前の記事での説明ではファミコンのようなものと説明しました。
裏技をしたり足がカセットに当たったりして画面がおかしくなって操作不能になってもリセットボタンを押したり、あるいはカセットを挿入し直したりすると元通りゲームができるように、コンテナ化とはこういう感じでカセットのゲームもシステムもそれぞれが独立してあるのでどちらかが壊れれるともう一方が壊れるということもないわけです。

2025年のLinuxでは、Atomic/Immutable(特にA/BやOSTree)が主流化し、システムの信頼性が劇的に向上しました。従来のように「アップデートで壊れた…」というトラブルが激減し、初心者や日常使いに最適です。一方、従来型は上級者向けの柔軟さが残っています。
Vanilla OSやObsidianOSのようなA/B方式はシンプルで信頼性が高く、BlendOSは宣言型でカスタマイズしやすいのが特徴です。

2026年の展望は?

これまでの動向から特に、Waylandの完全移行とimmutable(不変)/atomicアーキテクチャの主流化が加速する年になりそうです。2025年の基盤(COSMICの安定化、Waylandの改善)がさらに進化し、システムの信頼性・セキュリティ・パフォーマンスが向上するのではと予測されています。

2025年までの従来の方法ではWindowsから移行してきたばかりの初心者が間違った方法でシステムを更新した場合に、それらがきっかけでシステムを壊してしまう場合があると思います。アップデートではたいていの場合は問題ないと思いますが、選択肢が出てくる場合にどうするべきかがわからず、色々触っていく間により壊してしまう場合があるかも知れません。
特に解決方法を探してみるもののそれが最適な答えとは限らないわけです。日本語での回答であればまだしも英語の回答を勘違いして適用してしまうとかはありえます。そんな場合でもロールバックができるのがAtomicなシステムの強みです。しかし絶対ではなく、限りなく大幅に軽減解決できると言うことです。削除した場合にしても現状使用してない方に削除された状態を作成して再起動で適用します。それが失敗した場合でも元の状態はあるのでロールバックできます。更にFlatpakを使用してソフトを導入している場合はコンテナ化されているのでシステムに影響はありません。

これらは既に実用化されていますが一部のディストリビューションだけなのでそれらが広がると色々なサイトでは言われています。

すでにメジャーなディストリビューションの多くがX11依存から脱却してWaylandに移行しています。X11も開発されているにはされていますが活発には行われておらず様々な問題を含んでいるためWaylandに移行が進んでおり、Waylandに対応したSwayやあるいはHyprland、Niriのようなウィンドウマネージャー、コンポジターが台頭してくるのも当然の流れです。
しかしこれらは設定がある程度複雑というのもあり、土台にそれらを利用してより簡単に導入できるようにdotfilesなどがたくさん開発されています。これらももっと便利になっていくことが想像できます。現在ではconfigファイルをGUIで編集できるようなものも出てきています。

まとめ

Windows10からの移行なども拍車をかけたのか、それとも関係なく伸びているのかはわかりませんが、Linuxのデスクトップシェアがグローバルで約4.7%に達し、プライバシー意識の高まり等で2026年には6%前後へと増加予測。米国で5%超え、インドなどで高い採用率が言われています。
一方で新しい技術に対応しつつありながらもトラディショナルなスタイルは維持するというLinuxディストロの典型のようなものもまだ多くあります。

Waylandの完全主流化となり、Ubuntu/Fedora/KDE PlasmaがX11をほぼ廃止。KDE Plasma 6.8(2026-2027頃)でWayland-onlyへ移行、HDR/セキュリティ向上に繋がっています。
Immutable/Atomicな方式を採用してFedora Atomic、Vanilla OS、Bazziteなどが主流となる予感さえあります。従来のソフト側からシステムのファイルやライブラリの変更が起こるのが初心者にとってはOSの状態を不安定にさせる原因でもありましたがそれらが払拭されて尚、これまでと同じように使えるということであれば、壊れにくさで初心者/ゲーミング向けにシェア拡大すると思います。新興ディストリビューション(pearOS、KDE Linuxなど)も注目が集まっています。

全体として、信頼性・セキュリティ・使いやすさが向上し、Windowsからの移行が本格化する年になりそうです。あと、問題としてはやはり日本語環境の簡単な導入でしょうか。これがどのディストリビューションでもできるようになれば多少システム側の敷居が高くてもどうにかなるだろうと思うのです。
以前Fedora COSMIC spinを試してみた時に感じたのは、Ubuntu同様にSettings → Region & Language → Input Sourcesから「Japanese (Mozc)」を追加するだけで基本的に動作したようにも思います。ただしここで動かなかったので別途sudo dnf install fcitx5-im fxitx5-mozcをした可能性がなくもないですが。
記憶が曖昧な所がありますが入力環境が簡単に整うのはとても良いと思いました。

これはUbuntu派生のPop!_OSでもおそらく同じだろうと思います。パッケージマネージャを動かしてインストールするわけではなく設定からできるのが初心者にも優しいと思います。Cosmic textなど、Cosmic独自のアプリは日本語入力ができない問題がまだ散見されるのでそれらがUbuntu程度まで到達したら本格的に選択肢に選ばられるようになるだろうとも思います。

ちなみにArch系でもCosmicはsudo pacman -S fcitx5-im fxitx5-mozcとして入力だけしたら、従来通りの環境変数を入れなくても日本語が使えるようになっていました((Cosmic独自のウプリ以外での例えばgeditなどのテキストエディター、Ghosttyなどのターミナルなどでは可能。))が別途入力のボタンの変更(キーボード・入力の切り替えのデフォルトはCtrl + Space)や、かな・ローマ字入力の設定などが必要になります。ローマ字入力がデフォルトなので入力切り替えができたらローマ字入力な人はすぐ使えますが、かな入力やローマ字でも特殊な入力をする人は設定が必要です。

こういう細かな所が面倒だと思う所に繋がるので改善されるといいなと期待しています。

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