まえおき
まず今更ながらにT470sですよ。ここから書く必要があるかと思います。
8世代のcoreシリーズが出たのが2016年あたり?かと思うので8世代でも10年近く前に出てることになり、かつ8世代から性能がグッと上がったことも踏まえヤフオクなどの中古でも8世代のi3でさえ1万円ぐらいするわけです。
Amazonでも探せば2~3万円ぐらいでショップの保証などがついて販売されています。なのにも関わらずヤフオクではこの10年近く前の7~8世代ぐらいが1.5~3万ぐらいで取引されています。
core i〇 〇〇〇〇HQ とかのCPUはそもそもが性能も高く元が高級なPCである場合が多いので 4世代のHaskellぐらいのノートPCでも程度が良ければ下手な安いPCよりはいいのかもしれませんが、個人的には5世代よりも前のノートPCには手を出すべきではないと思っています。
Linuxを使うにおいて考えれば、ウチでも現役のi3の初代ノートも言うほど不便ではありませんが、その当時のノートPCは物理的に重いし厚い。
HDD、DVDドライブ等がデフォでついているので重いのは当たり前なのですが、今どきはと言っても10年近く前あたりからそろそろドライブ関係はいらなくないか?という感じになって、今やDVDなし、HDDは2.5インチSSDからM.2 SSDに変わり、更にはメモリスロットさえなくなりつつあります。
それらを体感すると、Linuxを使う場合に性能はそこそこでいいけども、ディスプレイサイズも含めコンパクトに薄く軽くそれでいて軽快なものがいい。狙うのであれば8世代以降でと考えていました。
T470sは7世代のCPUなので、突然性能が上がった8世代のものとは違います。しかしCPUが7世代というだけでかなり8世代に近い構成なのかなぁとも思っています。
Thinkpad T470sにした決め手
- 有線LANポートがある
- バッテリー2つ搭載
- RAM増設可能(1スロット空きの8GBオンボード。オンボードRAMは4~16GBなどがあるのかも。CPU的にはMAXで32GBだっただろうか)
- キーボードがテンキーなしではあるがフルサイズ
- 14インチでフルHD

これらが決め手になったわけです。もちろんT480、あるいはT480sであれば尚良しではあったわけですが、それだとメモリ増設ができないのはいけない。つまりなんだかんだメモリ増設ができる最後のTシリーズがこのT470sではないかと思っています。X270とかも増設できそうな気もしますが。
もちろん購入時に大きいRAMのものを買えばよいのですが、ヤフオクにそれらが出てるはずもなくしょっぱい性能だからゴミを捨てるようにしてヤフオクに並ぶのです。そのゴミの中からより良いものを探すのがそれら中古品を買う醍醐味でもあります。
ややこしいのは、T470ではHDな液晶も選べるけれど、T470sはフルHDのみと言う事。これはT480も同様かと。もしかしたらオプションで選べるのかも知れないのですが。
他に14インチと言うとX1 carbon genXXみたいなものもあって、もちろんこれはこれでとても良いわけですが、有線LANポートがドングル((コンピュータに接続する小さな装置を指す俗語。元々はこれら小さな装置をPCに接続するとプロテクトが解除されるようなものであった。ここでは有線LANポートを変換する小さな装置、つまりはアダプタを指してます))になるのがやはり問題点ではあるし、メモリ増設もオンボードなのでできないのは辛い。
そうなるともう自ずとT470sがベストになってきてしまうのです。素材も高級感のある感じでABS樹脂ではないと思います。
T470sの特徴とか
ディスプレイ
14インチの非光沢IPSディスプレイでフルHD(1920x1080)ですが思ってるほど明るくもなく視野角も広い感じでもなくごく一般的なビジネスノートのディスプレイです。
インターフェイスと拡張性
USB3.0ポート、USB Type-C(Thounderblot3)ポート、HDMIポート、有線LANポート、micro SIMスロットなどがあると書いてあるサイトもありますが、micro sIMスロットがあるのかどうかは不明。別に使いもしないので確認すらしてません。これより古いタイプのノートになるとUSB3.0でなかったり、type-Cでなかったりとすることもありますから、最低限必要とされるポートはあります。
バッテリー
内部にフロントとリアと2つバッテリーが備わっていて、片方だけでも動作しますし、それらがなくてもACだけでも駆動します。もし2つバッテリーがフルで使用できる状態であれば最大11時間の長時間駆動ができるといいますが、そんなに長時間バッテリーで動作させることはないので1つだけで問題ありません。バッテリーインジケーターは2つ出ます。
CPU & メモリ
7世代Core i5(もしくはi7)が搭載されていて、24GBまでメモリを増設することができます。オンボードに8GB固定で、拡張スロットが1つあってそこに8~16GBを積み16~24GBになると言う話ですが、あるサイトによると32GBのメモリを積んで40GBで動作するとかしないとかの話もありました。
最近のノートPCはメモリ固定のものも多くあり、この後の後継シリーズはやはりオンボード固定のような事もあったのでメモリ増設ができる最後のシリーズかも知れません。
その他
負荷がかかればもちろんファンが回りますが、普段はほとんど回っていないのでSSDという事もありとても静かで、SONYのVAIOなどは排気口に缶コーヒーを置いておくとホットになるぐらいでしたが、そういった変な発熱はほとんどなく寒い環境で使うことが多いですが逆に冷たすぎてアレなぐらいです。
スピーカーはものすごく良いわけではないので、とりあえずなる程度と考えると百均のスピーカーでも付けたほうが良い可能性すらあります。
到着してまず初めにしたこと
到着した時にはもちろんWindowsが入っているので、Lenovo VantageだったかでBIOSを最新のものにしておきます。今回到着したT470sにはWindows10 Proとofficeが入っていたましたがもちろんそんなもの使いません。BIOSさえ最新であればそれでいいのです。
次にすることはBIOSで、セキュリティブートを切り(ENABLED → DISABLED)、USB起動させるためにブートプライオリティを最初に持ってくることなのですが、テンキー付きの15.6インチなノートPCならキーボードにテンキーがついているので「+」や「-」が物理的にあり、項目を上下させるのは問題ないわけです。
しかし、14インチでは+キーはShiftと「+」でようやくで、それがもし英語配列なら操作も大変です。通常はそうではなく日本語配列になってると思いますが「+」「-」キーが操作できないと起動順位を変えられないと悩む人がいるかも知れないので、万が一のため書いておくと、キーボードの一番上の数字キーに「-」があるのは気づけばなんとかなります。
その右側1つ飛ばしだったかが「+」の代わりになるのでそれでもよいし、F5/F6が上下だったかも知れません。
これに気が付かないとUSBから起動させることすらしんどくなるのでLinuxをインストールする段階でつまづきます。それらができていれば後は、(USBにISOが入ってさえいれば)PCにUSBを挿して起動するだけですから事前準備が大事になります。
基本的に一般的なディストリビューションのISOはライブUSBを作ってからインストールとなっていて、それを挿すだけで一時的にそのディストリビューションを試せるようにもなっています。そのライブUSBを動作させると画面の中にインストーラーがあるのでそれを実行すると指定のストレージに本番環境がインストールされていくという流れになります。
もちろんこの段階で日本語になっていることはないので、基本的には英語で操作することになるかと思います。もしかすると中には各言語に対応しているものもあるのかも知れません。
なのでちょっとお試しといいつつもそれで作業するのはやや辛いと思います。もちろんISOを改変して日本語が動作するようにしておいたり色々とはできると思いますが基本はやりません。
古いノートPCのBIOSはそうそうアップデートされないので、この時1回しておけばたいていは最新になるだろうと思います。このBIOSのアップデートだけをして、後は作っておいたISOを動作させるまでの短い時間がこのPCがWindowsでいれる時間だったということになります。
OSをインストールしたら
ここからはデスクトップ環境で何を選ぶかによってもやり方は変わりますが、やることは同じです。実際に導入したGnomeで話を進めます。
- ターミナルからpacmanでシステムのアップデート
sido pacman -Syu
- スーパーキー(windowsキー)を押すか、タッチパッドの3フィンガースクロールでディスプレイを1段上げて、そのまま文字入力で「set」を入力すると設定(
settings
)が候補の中から絞られるので起動して各種設定。タッチ操作の諸々の設定。
場合によっては、上記と同じ操作から「twe」ぐらいまで入れてtweaks
を起動。ここから各種画面の設定((ウィンドウ拡大縮小ボタンの位置等))をします。 - 本来GnomeではIbusでIMEはいけるのですが、
fcitx5
を入れます。やや使い勝手は良くないですがほぼGoogle日本語入力です。sudo pacman -S fcitx5-im fcitx5-mozc
- 設定などはfcitx5|Archwikiで確認してみて下さい
だいたいこれぐらいは使用前のお作法みたいな感じです。
その他諸々
特にしないといけないようなことはなく、EndeavourOSは勝手にReflector(最も速いミラーを検索設定)もしてるようですし、してないようであれば手動でもできるようにWelcome
というEndeavourOSのツール群から実行できます。AUR(Arch User Repository)を実行するyayも最初から使えたように思います。これらはグローバルにインストールせずにユーザー環境にインストールするためsudo
は不要です。基本的にはpacmanと同じような使い方ができます。
stacer
システム監視、最適化ツールのStacerというものがあります。システムの状態を見たり、不要なサービスを停止、削除、ログなども削除できるWindowsでいうとタスクマネージャーのようなものです。
基本的にはUbuntu/Debian向けに最適化されているので、他のディストリビューションでは一部機能が制限されているようですがEndeavourOSでも使用することができます。
EndeavourOSではsudo pacman -S stacer
でインストールできます。
- システムモニタリング(CPU / メモリ / ディスク / ネットワーク使用率)
- プロセス管理(プロセスの確認・強制終了)
- スタートアップ管理(自動起動アプリの設定)
- キャッシュ・ログのクリーニング(不要なファイルを削除)
- パッケージ管理(アプリのインストール・アンインストール)
- サービス管理(バックグラウンドサービスの起動・停止)
firewall
基本的なものがどんなものかはWindowsなどを使用している人らにはわかると思いますが、自動的にやってくれるわけではなくやはり設定は必要になります。特に一般的なファイヤーウォールはかなり細かい制御ができるものが多く設定がややこしいというのもあり、どれを入れるべきか考えどころですが、もっとも簡単なものはUfwだろうと思います。これらをGUIでできるようなGufwというパッケージもあります。
同じページにどういうものかは書いてあります。
ソフトウェアのインストール
基本的なものはEndeavourOSに入ってるWelcome
からインストールできますが、そこにあるものだけでは不便です。なので一般的にはターミナルからpacman
コマンドで各種ソフトを入れていきます。
慣れればそれで良いですが、慣れるまでが色々大変でどういうソフトがあるのかも含めてGUIで操作できると便利です。そう言う場合はpamac
を入れるのが良いかと思います。
pamac
pamac
には、いくつか種類があってpamac-aur
とpamac-all
などがあり、aurはArch User Repositoryのことで、コミュニテイによって運営されているArchユーザーのためのリポジトリになります。
(Arch系での)リポジトリとは:
パッケージのビルド方法やファイルの在処が書かれているファイル(PKGBUILD)がまとめられています。
pamac-allはpamac-aurに加え、manjaroでも使われているものと同等で、FlarpakやSnapも統合されています。詳細はPamac-Manjaroなどで確認して下さい。
Octopi
操作感はpamacとは違いますが、半自動なGUIという感じのpacmanラッパーで、aurも利用できるのでこちらでも良いかと思いますが、リストがテキストとその解説しか出てこなかったと思うので、少し使っておおよそのソフトがどういうのかがわかるようになってきた感じで利用するとよいかと思います。
t470sでLinuxを使った所感
t470sぐらいの性能であればほとんどのLinuxディストリビューションがメモリ量次第な所もありながらも、快適に使用できます。これ以降のPCであればPCの性能がネックになってLinuxが使えないということはないかと思います。
もちろんゲームや動画編集には向かないだろうと思いますが、一般用途での画像レタッチや動画視聴、ブラウジング他では問題はでないと思います。
現在では、12世代ぐらいのPCがもっともコスパが良いのはわかってるものの、そこまで高性能なのはLinuxでは性能が有り余る可能性もあります。しかしシステム的に余裕があるということはそれだけWinodwsなどで負荷がかかって問題があった処理が軽く済む可能性もあり、普段管理人がそう言う作業をしないので詳細はやってみないとわからないとしながらも、おそらくは快適になる予感はあります。
ソフト的にWindowsほど洗練されていないものもありますし、逆もまた然りでありますが同じソフトを使用してならLinuxの方が良い場合が多いかも知れません。
Linuxを使うというのは、それまで使用していなかった人にとって新しい環境になってしまうために、覚えることも多いかも知れませんがWinodwsと同様に使えるまでに慣れればメリットもあると思います。古いPCをお持ちであれば、ストレージの交換(+必要であればメモリ増設)だけで再びそれまでと同じように使えるようになるので、試してみることをオススメします。