Hidekichi

Thinkpad T470sを落として壊した僕は、ヤフオクでHP Probook 635 Aero G7を手に入れた

Thinkpadで何かいいものを探していたけども全然落とせねぇ

中古PCが高すぎやろと言う状況

新品からするともちろん安いのに違いはないわけですが、例えばIntel 8世代のi3がなんで1万超えやねんと思わず叫びたくなる今日(こんにち)、8世代i3なんかは2017年のリリースと言いますから、約10年前のエントリーPCが1万超えてと思いますよね?当時の新品が欲しいわけではなく、中古で多少傷などがあっても使用できるなら良いという妥協の塊のものですら高いのです。

近頃は新品で10万以下、あるいは10万前後で購入できるノートPCは多く出ています。必要最低限のポートだけのノートなら比較的安め、なんなら5万ぐらいで新品が購入できる場合もあると思います。Celeronですらかつてのi5並と言われたりしますが、これらは1つの作業をするならとも言え、脱初心者が将来を見据えて買うとすれば10万前後のPCがボリュームゾーンだろうと思います。

これらはおそらくゲーミングPCと名前をつけるだけ、ただ光らせるだけ((本来はセンサーやモニターを付けて暗いケース内を明るくしたり、温度管理やエラーコードのチェック、状態の監視用に光らせていたのが演出に変わり、それら機能が陳腐化し装飾として光らせるように変わっていったと言うことです))で20万超えという価格をつけられるわけですから当然とも言えます。

ゲームをするためにはそれなりの性能が必要で、そこを満たすものが20万超えだとすると((主にGPUが高くボトルネックにならないCPU・メモリを選べば当然価格も上がりますし、それに合うマザーボード…と何かのランクが上がると他も自ずと高級なパーツとなるので))、一般的な上級機種いわゆるフラッグシップのPCは15~20万円、更に一般的なものは10~15万円、エントリー向けはおおよそ5~10万円程度というのは理解できる範囲だと思います。スマホが12~15万円ぐらいする昨今、PCはスマホ以下の値段で買えるということも珍しくないわけです。スマホなんかは機能モリモリですからそりゃ高くもなると。スマート「フォン」のくせにです。スマホでなんでもできるという若者がいますが、そりゃ「できんでか」という値段ですよね。もっと安くで同じ事ができるならスマホは凄いですがそういうわけでもないんだからできて当然とも言えます。画面小さい分割高感(わりだかかん)すらあります。

オンボードメモリの罠など

話は戻り、ヤフオクなどでは特定の機種に注目が集まり、不人気であればi5の10世代などでも数千円(よく見るのは7000円ぐらい)で入手できる可能性は十分あります。そういう掘り出し物があるかも知れないというロマンは確かにあるのです。だいたいはロマンだけで終わります。

ここ数週間見ていた中で、これは無理というキーワードはThinkpadElitebookRyzenでした。これらで良さげなものは1円から突然1万円が入札されたりします。最初は様子見と冷やかしで10円とか1000円ぐらいまで入札されることはありますが、突如「バン!」と入札されるわけです。その時点でハイ終了、次、次となるわけですが、更にドンと入り終了間際には残り数秒まで気が抜けないという競り合いなわけです。え?!問題ありな情報が記載されていますけどもその値段が入るの?というものもあります。

人気があるキーワードでも、オンボードメモリ8GBであればこれは数千円で入手できる可能性はあります。Thinkpad Nano((Thinkpadでは高級モバイル機。現状ではX1 Carbonがその役目となりつつある))であったとしても入札なしということはあり得るわけです。それぐらいに8GBオンボードメモリのみというのはどうしようもないわけです。とりあえず動いたとしても未来がないと言うか。それは例えば少ないメモリで動作するLinuxのディストリビューションであったとしてもそうで、通常利用する場合、グラフィックメモリで1~2GB消費し、OSでも消費、更にブラウザで2GB程度を消費されとすると何かの拍子にメモリリークなどが起こるとそれは仮想メモリを使用することになり、より高速なSSDを搭載していないとまともには動かせません。しかもSSDの消耗にも繋がります。これらはWindowsのような無駄が多いOSでは顕著です。

オンボードメモリ + メモリスロットx1という構成もあります。これはデュアルチャンネルは効かなくなったりする事がありますが、メモリ量としては救いがあります。薄型のPCでも14インチのものであればこういう構成はあるのでこれらはオンボードメモリであろうと価格が上がることがありえます。

キーボードトップがとれたようなものはキーボードの交換も必要ですし、本体の価格が安ければまだしも、それらをあわせて買う場合はどうしても高額になり(本体価格+キーボード価格が必要なため)、交換できる技術(あるいは道具)がない場合は競るのも無視されるようにも思いますし、同様に液晶パネルもそうでしょう。

中古の液晶パネルはくすんでいたり黄ばんでいたり、輝度ムラ、傷、破損などもあり、それ以上に正常に表示されていてもHD(1366x768、1280x720、720p)がまぁ多いこと。安いからと言ってなんで世のビジネスマンらは「横長の画面でなんで720pを選ぶのよ」と言うリースアップ品が多く(安いからなんですけども)、黄ばみや輝度ムラ、わからないぐらいの傷などよりも解像度問題がとてもノイズになって検索されるので、それでいいという人はまだしも、そうでない人には欲しいものがなかなか見つからず困る部分になります。

フルHD(1920x1080)以上の解像度のモニターは上級機種でなければなかったり、自分で交換するための液晶パネル自体の販売もありますが、フルHDの液晶パネルは1万円ぐらいすることから、本体の価格が上がれば自ずと交換パネルの価格も込みで考える必要もあり、1万で本体が落とせるとしてプラス1万円となり、交換する手間まで増えます。それが約10年前のPCで当時の価格が10万円程度が今でも本体1万円、(パネルを変えるのであれば)2万円近くするっていうのはどうかと思うのです。

もちろんその価値があれば何も問題ないのですけども。

Windows11のせい

Windows11の最低要件に8世代CPUと下限が決められているので、どうしても8世代からが人気になるのはわかります。しかし2026年の現代では最新で14世代まで進んでいるわけです。最新のPCを買うまでもないが安い中古が欲しいとすれば感覚的に11、12世代を考えるでしょう。しかしヤフオクなどではWindowsのせいで8世代IntelのCPUというのは最も安くPCを入手するためのボーダーともなっており、あらゆる意味でのエントリーモデルなわけです。10年前のPCがです。エントリーPCが高騰したら自ずと11~12世代の価格が下がることは少なく、程度が悪いものならあるかも知れませんが、その値段を出すならもう新品の方がと考えることもあるかも知れません。

Windowsの変遷

Intel CPUの7世代の頃、Windows10が最後のWindowsと言われていたため、CPUが7世代であっても8世代であっても同じWindows10で動く似たようなものという扱いでした。Intel 10世代が登場した頃、Windowsはまだ10でした。12世代のIntelが登場した時に合わせるようにWindows11が生まれました。

Windowsが11になった時、Microsoftが「Intel第8世代以降のみ公式サポート」というルールを突如発表しました。これにより同じWindows10を搭載して販売されていた7世代CPUは切られ8世代は生き残った形になります。8世代というのはWindows11のために設計されたわけではないけども、Windows11が求める現代的なPCの基準をギリギリ満たしていたとも言えます。

Intel 12世代の時にWindows11になったように、ここでようやくOSとCPUが二人三脚になったとも言えます。そのため8~11世代はWindows11が動く基準は満たしているがこれは無理やり動いていると言っても過言ではないのです

よくインターネット掲示板などではWindows11の操作性を嫌ってWindows10にダウングレードした人が、Windows11はモッサリしている重いとかと不満を言っていることがあります。それら理由からWindows10に戻したと頻繁に聞きますが、ここにはCPUが12世代以降を使用していないのでWindows11の性能を出せてないのではと思えるフシもあります。

Windows11では、

というような仕組みが入っています。これが不足しているということは、本来のバックグラウンドでやることもフォアグラウンドでやることも全て同じCPU上にあるコアをフル稼働して賄っているということです。通勤バスをバイクの250cc~400ccの2サイクルエンジンで動かすというようなものなので、動きはしても最適化はされていないとも言えるわけです。自ずとCPUが対応しているWindows10に戻したら快適になったというのは当然の現象です。そういう設計なのですから。

メイン処理とバックグラウンド処理をハイブリッドコアで分担して、更に多コアでそれぞれをこなす設計のWindows11をそれら仕組みがない世代のCPUでは、CPUのパワーを取り合って処理しているわけですから、元々様々な場面でも使えるように設計されているWindowsは、テレメトリーも含め無駄な処理が満載なので、11世代までのCPUではスマートな処理ができないということです。むしろ古いが高性能なパーツが搭載されているPCでなら、その負担が軽くなるだけで、やはり重いと感じる場面もあるでしょうし、ライトな作業しかしない人はそれらに気がついてないだけとも言えるのです。

Windows 11は10に比べて、VBS(仮想化ベースのセキュリティ)などがデフォルトで強力に動いています。12世代以降はこの負荷をいなす設計ですが、以前のCPUではこの「セキュリティの重み」がダイレクトにシステム全体のレスポンスを奪っています。操作性は設定で変えられても、このOSの内部的な足枷は12世代以前では外せません。

本音を言うと

本来の必須事項としては、

と言う道が、誠実で最適な道でした。それぐらいに12世代以前の古いCPUでWindows11を動かす事は、動きはするが無理があるのです。

なぜMicrosoftはそうしなかったか、それはOSだけでセキュリティを万全にするのは無理だとしてセキュリティ的問題がある古い仕様のものを切り捨て、安全な新しいPCしか存在しない世界を強制的に作ろうとしたわけです。またそれは、PC市場の停滞を防ぐためでもあり、OSの寿命を盾にハードウェアの買い替えを促すという経済的な圧力が働いたことは否めません。

現代の状況を見ると、それらは失敗であるということが明白です。8世代で動くなら8世代でも構わないし、Windows10であっても何も問題ないという声は多数あり、そこには、人はソフトウェアがまずありきで、OSはそれが動けばなんでも良いからです。もちろん、OSが進化することをダメだと言う人はいないと思います。それが「正しい方向であれば」更に「負担を強いられないのであれば」と言う点はかなり大事なところだと思うのです。

これまでからWindows 95の、XPの、7の、……とサポートが終わるから仕方無しに買い替える人が多数で、それがなければ買い替えることなどは無いということですが、並行してWindows10とWindows11がある世界で、

と言う世界であれば、人々は自分が最適と思う方を選択するでしょう。ただこれをすると、ソフトウェアを作っている人たちからはそれぞれに合うように作る必要があるので大変だと言う声が上がるかも知れません。しかしユーザーからしてみれば使わないAIのためにそれを処理するためのPCが必要なのかと、それってNHKと同じじゃないかと言われても仕方がないとも思えます。必要であれば買う、不要なら買わないってごく普通の感覚と思いますが、Microsoftは「これからのPCにはAIが必須なんだ」と言うわけです。どうせOfficeはWindows版、MacOS版と作るわけですから、それなら同じWindowsで動作させるぐらいのことができないはずもなく、高度な機能を使用するためにはより最新のPCが必要とすることで、それらを求める人は自ずと最新にしようとするのではないだろうかとも思います。

今後OSがどうなるのかは続報を待つ必要もありますが、次期Windowsはモジュール型にすると言います。ベース機能はある程度古いPCでも使用できるがプラスアルファになる高度機能を使用するためには(そのモジュールを使用するためには)新しいPCが必要となるということであれば、それは理にかなっていてユーザーから見てもフェアなサービスと思えると思います。高度機能に魅力があれば自ずとそれらを使いたいという人は増えるでしょうし。

古いPCをできるだけ長く使うことはセキュリティ的には問題があれど、資源を無駄にしないということにも繋がり、それら古いPCから再生したパーツで新しいPC作りWindows11に適用すると言うことをすれば、再生する分費用はかかるものの資源は少なく環境にも優しいと言えるのではないかと。

つまりWindowsは常にOSのサポート終了、未対応と言う言葉でしょうがなくPCを買い替える歴史だったのです。今後これが変わるかは注視していくしかありません。

IntelとAMD Ryzen

Intel CPUの転換期

Intelを語る時、8世代がボーダーとなっていますが7世代の頃のPCはどうだったのかと言うと、実は完成された世代でもあるのです。ほとんどがSSDを搭載していて本体も軽量化され、それでいて各種ポートが充実し、バッテリーの使用時間も伸びました。中にはDVDドライブも薄型軽量化されBlu-rayに変わったものもあると思います。軽量化のためにDVDドライブがないものも登場しました。Thinkpad T470sもそうでした。

徐々に性能が上がったとは言え、ノート用i5では2コア/4スレッドで若干ベースクロックも高めではありましたが、デスクトップ向けの同CPUでは4コア/4スレッドで、デスクトップはPCケース内に隙間がある事からより大きなCPUクーラーで冷やせる、エアフローでも冷やせることでノートよりもパワーを発揮することができました。使用電力なども異なり、(パワーが発揮できるのもあり)より重い作業が可能でした。

ノート デスクトップ
cpu 2コア/4スレッド 4コア/4スレッド
動作周波数 2.5GHz~ 3.4GHz~
用途例 バッテリー持ち重視の作業 安定した高負荷処理

ハイパースレッディングで2コアを4コアに見せているノートPCと、デスクトップの本物の4コアでは性能が違います。「熟練した店員2人バイト2人」と「熟練した職人4人と弟子4人」とではやれることは違うでしょう?(店員を超えた職人という意味で書いてます)なので簡単な仕事を前者には任せ、本来の仕事は後者でするというような使い分けが必要だったわけです。ノートPCは元々そういうものでした。デスクトップで作り管理して、一部を顧客に見せるために持ち運ぶ、あるいは入力するための端末と言う役目をノートに任せるという感じでした。

Intel 8世代

ここで8世代が来て最初の転換期が来ました。

ノート デスクトップ
cpu 4コア/8スレッド 6コア/6スレッド
特徴として HTあり(仮想的に2倍) HTなし(物理コアのみ)
動作周波数 1.6GHz~ 2.8GHz~
キャッシュ容量 6MB 9MB
消費電力(TDP) 15W(省電力) 65W/95W(パワー重視)

ハイパースレッディング:HT(Hyper-Threading)とは1つの物理的なコアを擬似的に2つの「論理コア」として動作させ、同時に2つのスレッド(命令の流れ)を処理する技術です

TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)とはCPUやGPUなどの半導体チップが、高負荷時に発する「最大発熱量」を示す指標です。単位はワット(W)で、PCの冷却ファン(クーラー)の能力や、電源ユニットの容量を選定する際の目安となります

この後、進化はするもののどちらかと言うとマイナーアップデートが続き、次に革新的なアップデートと言われるのは11世代と12世代です。これらはそれぞれに違う意味で革新的だと言われます。

11世代CPU

ここでは長年続いた古い設計から脱却し、周辺技術を一気に最新世代へ引き上げた世代とも言えます。

11世代は従来の延長線上の完成形とも言えると思います。

12世代CPU

12世代の革新はPコア+Eコアのハイブリッドアーキテクチャーの導入による根本な変化です。

12世代は新しい時代の始まりという位置づけになります。

Intel CPUの狙い目

革新的な世代のCPUは8世代、11世代、12世代なのでやはりそこに人気が集まります。Windows11が8世代からとサポート下限を決めたので自ずと8世代から人気が集まるのもわかりますが、この世代でなければだめということはありません。

例えばデスクトップ版ですが10世代CPUは超狙い目です。

こういった理由からデスクトップでは10世代が狙い目になります。一方ノート版の10世代は要注意です。

ノートPCの場合、10世代には当たりと外れが混在しており判断が難しいのが難点です。

こういった理由からノートPCではどうせ買うのであれば11世代で、より安く求めるとすれば8世代でも、性能は大きく変わらない10世代が狙い目とはなりにくいとも言えると思うのです。なのでヤフオクなどでも8世代と10世代は大きく価格が離れているということはなく、当たりであればラッキーだったぐらいの感じになるわけです。

10世代の当たりを引くためには型番の 末尾がG+数字 となっているものを探して下さい。これは11世代寄りの10世代です。これを安く買えるのであればお得かも知れません。Wi-fi6であったりグラフィックがやや強化されているものです。もちろん正真正銘の11世代や12世代を安く買えるのが本当のオトクなんでしょうけれども。

そこでRyzenだ

Ryzenの型番の見方

Ryzenの型番は次のようになっています

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Ryzen 4  5 00
      │ │ └ ランクで性能の刻み。大きい方が良い
      │ └ Ryzen5であるという意味。3ならRyzen3となる。
      └ 4000シリーズあると言うこと。

Ryzenのグレード

Ryzenのグレードはi3とかi7のようになっているわけではなく、

ブランド名 百の位の数字 Intelの対抗グレード
Ryzen3 1、2、3 Core i3
Ryzen5 4、5、6 Core i5
Ryzen7 7、8 Core i7
Ryzen9 9 Core i9

このような分け方がされています。ノートPC版のRyzenではリネーム問題があり、ノートPC用の7000シリーズ以降でAMDは2023年から型番のルールを大きく変えました例えば、Ryzen 5 7520Uで言うと、

それって番号に含める必要ある?と思ってしまいますがまぁ仕方がないところです。そして2023年モデルが「7」と決め打ちしたらすぐに頭打ちが来るんじゃ?と考えるのが普通です。2026年版は9000シリーズになるので来年は?というと、10000には進まず、Ryzen AI 300シリーズと新しい数え方に変わります。理由としては「第3世代のAIエンジン」を積んでいるからということらしいですが、それは内々でやってくれと思ってます。

末尾のアルファベット

末尾のアルファベットには次の意味があります。

多くのノートPCユーザーが利用するのはたいていUでしょう。つまり4500Uなどという型番のRyzenです。ノートとデスクトップで迷っていて性能重視であれば、デスクトップ向けを選ぶほうが得策ではあります。いくらノートが発熱を抑えられた設計やパーツで作られていたとしても、狭いスペースでフル稼働させるよりは余裕あるスペースで各種冷却できる措置を取った方が明らかに冷えるからです。急に発熱するとサーマルスロットリングで本来の性能が出ないこともあるでしょうし。

サーマルスロットリングとはCPUやGPUが高温(通常90〜105℃以上)に達した際、故障を防ぐために自動で動作周波数と電圧を下げ、発熱を抑える安全機能です。この機能が作動すると、処理能力が低下しパソコンの動作が重くなります。

Ryzen 4500の話

4500(Ryzen5)は特殊なCPUで、元々ノートPC用だった設計をデスクトップ用に転用したものです。通常のデスクトップ用Ryzen(3600や5600など)に比べてL3キャッシュというメモリが少なく、ゲーム性能などは少し控えめという特徴があります。その分、価格が非常に安く設定されていました。一方、ノートPCにも4500Uというのがありますが、名前は同じでも全く別物と考えて問題ありません。

ノート版が本家本元であり、2020年のモバイル向け最新チップとして登場したものです。Intelの10世代を圧倒するコスパで話題になりました。デスクトップ版は、ノート版で在庫(あるいは一部不良があったチップ)からグラフィックス機能を切り離し、格安デスクトップ用として再利用・後出ししたものです。ノート版は6コア/6スレッドでしたが、デスクトップ版は6コア/12スレッドに強化されているものの元々がノートPC用であったためキャッシュは少なくなっているわけです。

RyzenにおけるIntelへの戦いの変遷(へんせん)

Ryzen 2000~3000

時は2018~2019年、奇しくもコロナ禍の頃にIntel 8世代CPUが登場し、それまでのAMDは安かろう悪かろうのイメージでありました。そこでまずAMDは内蔵グラフィックスで勝負すると言う戦略を立てるところから始めます。Ryzen 2000~3000シリーズの頃です。RadeonグラフィックスをCPUに統合し、ベース性能ではIntelに届きませんでしたが軽いゲームや動画再生ならRyzenの方がスムースという独自の立ち位置を模索したわけです。

Ryzen 4000

2020年、ここで大きな転換期を迎えます。Intelは 10世代になりました。前に書いたようにIntelは8世代から革新的な進歩がありましたがそれ以降10世代まで大きな変化はなく、一部11世代の性能を先取りしたものもありつつも停滞していた時です。AMDは「コア数で勝負だ」とIntelが4コアで足踏みしている間に、ノート用で初の8コア(Ryzen7)や6コア(Ryzen5)を投入しました。Ryzen 4000シリーズはこの結果、同価格帯のIntel PCよりもマルチタスク性能でダブルスコアに近い差をつけて「ノートPCはRyzenの方が高性能と言う空気」をはじめて作りました。

Ryzen 5000

翌2021年、Ryzenは5000シリーズになります。Intelは11世代となりました。Intelのところでも話しましたがIntelにとってここは従来からの進化の改革点です。グラフィックも強化され、元々シングル性能も高かったIntel CPUもコア数を増やしてきたわけです。追従するようにRyzenは、これまでの弱点であったシングル性能を上げてZen3という新設計で弱点を克服しようとします。省電力・多コア・高効率と言う三拍子で王座を固めました。

Ryzen 6000

2022年、Intelは12世代のPコア+Eコアのハイブリッド構造で革新的な進化をしました。Ryzenがせっかく築いた王座をIntelが猛追したのです。AMDはグラフィックスをRDNA2というPS5世代の技術(アーキテクチャ)へ一気に引き上げました。しかし以降型番が複雑化してユーザーが混乱し始めます。

RDNA2はPS5やXbox Series Xと同じ設計思想で作られています。ノートPCの内蔵グラフィックスでありながら最新ゲームを動かすための能力が別次元になりました。レイトレーシングに対応して光の反射などをリアルに描画するのを内蔵グラフィックとしてはじめて対応しました。また同じ消費電力でも前世代のVegaより遥かに高いフレームレートを出せるようになっています。

描画性能的には5000シリーズのVegaに比べ約1.5~2倍近いベンチマークスコアを叩き出すことがあります。また新しい動画規格(AV1など)への対応が進み、Youtubeの4K/8K視聴や動画編集での快適さが更に増加しました。

イタチごっこは続く

Intelが第11世代で「革新的」と言われた背景には、実はこのRyzen 4000/5000シリーズにボコボコにされた悔しさから、グラフィックスや通信機能を必死に磨き上げたという経緯があります。こうして見るとIntel 10世代がヤフオクなどで少し安く売られている理由は、当時のRyzen 4000シリーズという強烈なライバルに押されていた時期のモデルだから、とも言えるだろうと思います。どっちを選ぶ?となったら同じぐらいの性能でもRyzenのが良いのではないかという雰囲気があるからです。10世代を買うならRyzenの方が良いのではと考えるのは当然です。Intel CPUの性能がアップしていてもその幅が狭く8世代と大きく変わらず推移している時代に、それを追い越したのがRyzenですから。

またAMDはベンチマークソフトでスコアが高く出がちと言われたりもしますが、実際にそういう時期もあったものの現在では解消されつつあります。設計上の特性で正しい測定ができなかった原因でもあり、Intelには最適化されているがRyzenではされていないという違いがあって、ベンチマークソフトではスコアが高いという噂がでていたわけです。なので、できるだけ新しいベンチマークの結果を参照してみて下さい。

IntelとAMDの現在は?

性能・シェア共に歴史上かつて無いほど拮抗(きっこう)しているが得意分野がはっきりと分かれたというような構造です。かつてのIntel一択という構造は完全に終わり、現在は用途に合わせてどちらかを選ぶと言う非常にユーザーにとっては健全な競争相手になっています。

Intelはハイブリット構造によって、瞬発力や最大パワーでは一歩リードしています。ただしその分電力消費と発熱が激しく、デスクトップでは巨大なファンが必要になり、ノートではファンの音が大きくなりがちです。AMDは効率重視になって、省電力性能(ワットパフォーマンス)でリードしており、同じバッテリー容量ならRyzenノートのほうが長持ちしやすく、発熱もマイルドな傾向があります。

これまでのイメージもあってブランドイメージは、ビジネス・法人分野でIntel CPUの信頼度が高く会社支給のほとんどがIntelになっているかと思います。一方、個人や自作・ゲーマーの間ではコスパがよく性能も同等以上という認識が定着しているのでRyzenが非常に高いシェアを持っています。

そもそもビジネス現場で使用するソフトと、個人が普段使うソフトでは趣向が違っていているから当然といえば当然です。

事前知識がついた所でヤフオクの現状を見てみると

ヤフオクは自作ユーザーやPC好きが集まる場所なので、Ryzen 4000/5000はIntel 10世代より強いという知識が共通認識になっており、Ryzen搭載機は入札が競りやすく、「掘り出し物」になりにくい傾向があるのだろうと思うのです。

Intel 8世代より以前のCPUで頑張っていた人たちがWindows10のサポートが終わるということから、だったら8世代で良いんだろ?とWindows11がとりあえず動作するPCを求めるのはよくわかります。業者はそういうユーザーがいるので同じようにして8世代のPCを入手しようとします。前者はPCを使用したい人であり、後者は安定して売れる商品を入手したい人たちが同じPCを競り合うわけです。

Intel 8世代が2018~2019年あたりですからそれらのリースアップの時期も重なって今、市場に溢れてはいるけれども、10年近く前のPCを「使用したい人」と「商品として入手したい人たち」とで取り合っており、本当に使用したい人から見ると不毛な戦いが日夜繰り返されてるような状態です。PCが欲しい人達から見て、本来ならばもっと安く入手できるはずのPCが、安くて入手しやすく「8世代」と書いておけばすぐ売れるからと使いもしない人が買おうとしているわけです。それらを場合によっては業者間で繰り返し、同じような業種間で行ったり来たりしてるPCもあるのでしょう。

前述しましたが、Intel 8世代のCPUではWindows11は動きはするが無理やり動かしているので、12世代からのCPUとは全然違うと言えるわけですが「8世代ならWindows11が動くと書いておけば売れる」と業者は参入してくるわけです。「このPCはWindows10なら快適とは絶対に書きません」。むしろそちらの方が正しいわけですが。

何かしらのトラブルに見舞われて、今すぐ繋ぎでそこそこ良さげなPCを安く入手したい人にとっては厳しい時期だとも言えそうです。高額を出して新品を買うのは、次期Windowsの情報が出てからにしたいとしていても、使用中のPCにトラブルが起これば今すぐPCが必要にもなります。

次期Windowsがいつ出るのかどうなるのかわからない中で、近々とか来年リリース予定という情報だけが先行し、そこに対して資金をためている時のトラブルほどしんどいものはありません。出費を抑えたいという気持ちもよくわかります。しかしリースアップ品はたくさん出てきているはずなのに落とせないと言う状況は本当に歯がゆいものです。

新品は買えるが「今は時期が悪い」というのが、冗談ではなく実際にありますよね。

そんな中で手に入れたPC

これは商品供給が安定している中ならジャンク品 of ジャンク品です。しかし今はそれでも何とか使える状態にしたいと言うものでした。

多くの人が手を出さない同じものを安く入手できれば、それはニコイチ((いわゆるジャンク品で症状が違うもの同士をいい所どりして2台で1台を作ること))で直せるわけですから。

HP ProBook 635 Aero G7

仕様などは他のレビューサイトを見てもらえればどういうPCかはよく分かると思います。なのでそのあたりは他サイトに任せるとして、到着したものを見ると次のような状況でした。

  1. ディスプレイ側のいわゆる(ふた)部分に細かな凹みあり
  2. 無線LANカードが外されている
  3. メモリ4GB
  4. SSDなし
  5. 充電は不明 バッテリーの健康度は72%でした
  6. ヒンジがやや弱くなっており、微妙に少し横にずれる
  7. 電源アダプタなし

こういう状況でした。しかし、

これは元々はカスタマイズされていたのかちょっと良さげな仕様でもあります。電源アダプタが来ないと全部確認はできませんが、メモリ、SSDはあるので流用でき、無線モジュールはT470sから流用しました。どうせWindowsは使いませんし、流用できるものはまず流用して動作するようにしないと。

この事から、基本的な部分はたいていクリアしてヒンジが緩いのは微妙ながらも使用はできるので、液晶が横に少しずれることで表面がこれ以上傷つかないように、マスキングテープをキーボード側に貼ることで液晶パネルがキーボードなどに擦れないようにしました。

使用できるならこんな事は何も問題ではありません。どうせ中古ですから。

T470sから見るとどう変わったか

i3などでも良かったというのが正直な気持ちですが、i3すら高いのでわざわざi3を探すのもどうかと考えていて、そういう中でも少しは性能アップしたら良いなと思っていましたが、そのステップアップはちょっと更新したどころではなく、世代交代を痛感する劇的な変化でした。Linuxディストロにここまでいるか?と自問自答してしまうぐらいのサックリ感です。Intel機ばかり使用してきていたのでそろそろRyzenが欲しいとも思っていましたし。

サックリ感と言っても普段の操作感に違いがあるわけではなく、パッケージのインストール時のビルドや進行度合いがT470sとは違ってサックリと言う感じです。負荷がかかっていたような所にまるで負荷なく、排気量の大きな乗り物で高速巡航しているとか、パワーのある車で坂道を登っているというような快適さがあるわけです。速度が出せるというような感じではなく余裕ができてると感じるのが強いかと。

Linuxのディストリビューションはそもそもが軽いのでT470sでも速度的には出ていたとも言えます。しんどくはあるけれども250ccのバイクで高速には乗れるわけですからそれと同じことだと思います。小さくパワーがない乗り物だと体への負担は大きいので、最終的な疲れのようなものは車や排気量の大きいバイクだと全然違うというようなそういう感じです。

CachyOSをオンラインインストールをするので、ダウンロードの速度によりけりですが、ダウンロードしたパッケージのインストールはほぼ一瞬です。全てをダウンロードしてからインストールするのではなく、段階的にダウンロードしてインストールする仕組みになっているため、グラフィックドライバーなど重いパッケージの時は「これ進行してる?」と不安になる所もありますが、後半になるにつれ一気に進むようになります。

オンラインインストールディストリビューションはオフラインとオンラインでインストールができますが、様々なパッケージをインストール時に同時に導入するにはオンラインインストールが必要になります。そのため、予めインターネットに接続する必要があります。CachyOSではライブ環境のデフォルトデスクトップがPlasmaであるため、タスクバー(ボトム)の右側にあるWi-Fiアイコンを「左クリック」で開いて、自身のSSID((自身が利用している無線の電波の識別ID))に接続する必要があります。LANポートがある14インチ以上のPCであれば線を差すだけですが、モバイルノートは薄型の場合が多くLANポートがないものもあるのでWi-Fiへの接続が必要になります。これらSSIDに対するパスワードはインストール後も維持されます。オンラインインストールでは主となるデスクトップ環境以外を選択できたり、最初から導入するアプリを選択できるようになります。

内蔵グラフィックについて

内蔵グラフィックはT470sのIntel UHD Graphicsからすると、おおよそ2~2.5倍ぐらいの性能があり、nvidiaで言うとGT 1030当たりと同じぐらいでしょうか。ベンチマークのスコアなどでは同じぐらいでも動画支援機能(VCN)についてはモダンで優秀な場合があるということです。前世代のデスクトップ向け外付けエントリーぐらいの性能と言えます。ゲーミング用のGTX 1050などとは比較にならないぐらいに完敗ですが、Ryzenノートの内蔵グラフィックは3D描画よりも、動画の処理(ビデオエンジン)に特徴があります。

4Kや高ビットレートの動画の再生がスムースに行われるようになり、T470sが必死に再生していたものをRyzenでは鼻歌交じりに再生するという感じです。旧世代のPCがジェームズ・ディーンが乗って高速を飛ばしたポルシェスパイダーとすると、同じ以上のことがスイフトスポーツで可能になったような感覚です。スパイダーは高速道路をエンジンを唸らせて飛ばしていたと思いますが、スイフトスポーツではコーヒー片手に運転できるぐらいに楽に走れると思うのです。かつてのスパイダーのような「飛ばしている!」という高揚感や恐怖(ぎこちなさ)はなく、快適なクルージングができるという感じです。それぐらいに性能が上がっているという表現なんですが気持ちが伝わるでしょうか?

porsche550spyder

Intel機で使用していたSSDはRyzen機でそのまま使用できるか

Linuxをサブノートに入れていて、それらが何かしらトラブルにあった場合、データだけでも何とかしたいと言う事はあるでしょう。私もその一人でしたが、これまでずっとIntel PCばかり使用してきていたのでRyzenでどうなるかはわかりませんでした。

今回のPCのように元々Windowsで使用されてきたPCではセキュアブートが有効になっているため、それをBIOS(UEFI)の設定で無効にする必要があります。それだけをすればCachyOSの場合、何の設定もなくIntel機で使用していたSSDはRyzen機でも流用できます

CachyOSでは汎用的なドライバなどで動くようにしてあるのでしょうが、そもそも使用するドライバ、マイクロコードはIntelとRyzenでは違うのでデータの救出を何かしらで行った後、新たにクリーンインストールするのがベストであろうとは思います。そうすれば最初からRyzenに対応したパッケージが入るだけではなく、不要になったIntelのパッケージも無くすことができるからです。

  1. BIOSでセキュアブートは切っておく
  2. まずは起動してデータをバックアップ
  3. その後クリーンインストールして正しいドライバ等を当てる
  4. 再起動時にBIOSを初期化して諸々を設定する
  5. 起動後、各種設定・インストールでアプリの回復などを行う

と言う流れです。

BIOSの起動ProBookではF1もしくはESC連打で入れましたが、他の機種が同じとは限りません。場合によってはdelであったりすることもあるようなので事前に調べておく必要があります。

マイクロコード(Microcode)とは、CPU内部で機械語の命令をより単純な「マイクロ命令」に分割・実行する、低レベルの制御コードです。CPUは既に完成されたものなので後から構造(配線)を変更することはできません。しかし後から見つかった問題をプログラム的に(処理する手順的に)修正するためにも使用されたりします。Linuxではマイクロコードをパッケージマネージャで導入することはできます。IntelとAMDではCPUが違うのでPCが変われば変えたほうが良いということですが、移行するSSDのデータの救済が済んだ後に、OSのクリーンインストールをすれば最適な内容に書き換わるので無理に手動で入れる必要もありません

無線モジュールが取り外されていた件

これは「裏ぶたを開けてから」か、「実際起動してデスクトップが表示されたら」すぐに分かることですが、内蔵無線モジュール(無線カード)が取り外されていました。私の場合、壊れたThinkpad T470sがあったのでそこに内蔵されていた無線モジュールで事なきを得ました。しかし、こういうのを書いていない業者であったので、ある意味教訓になりました。内蔵LANカードなんて普段は触りもしないところですし、本体にLANポートがない機種なので、無線が使用できない事が大事となるわけですから。起動確認でわかってるだろ?とも突っ込めますが、本来のPCショップでないとここまでは気が付かないのかもしれません。そうだとしてもこれぐらいは書いておいて欲しいですけども。

T470sの無線モジュールは汎用性があるものでしたが((まだCNViが登場する前のものであったため))、中にはCPU機能を利用する無線モジュールもありこれはRyzen機では使用することはできません。Latitude 3000の無線モジュールがそうでした。Ryzen機には以下の無線モジュールが良いかと思います。

モデル 規格 特徴
Intel AX210 Wi-Fi 6E 推奨。安定性が高くRyzen環境でも問題なく動作します
Intel AX200 Wi-Fi 6 6E(6GHz帯)が不要なら、こちらの方が安価です

2026年4月のAmazon調べでは、おおよそAX210で3000円前後、AX200で1000円安いぐらいで販売されているようです。PCが破損したりで内部デバイスだけをヤフオクで出品している人もいるでしょうから安く買える可能性はありますが、出品者も相場を調べていると思うのでだいたいこれぐらいの価格と思います。Wi-Fi 7が登場したりして価格が変わる可能性は大いにあります。

何でも対応しているわけではないのに注意

同じような製品でIntel AX211あるいはAX411などと末尾が1のものは、CNViというIntel CPU専用の仕組みを使っているためRyzen機では絶対に認識しません。必ず末尾が0のモデルを選ぶ必要があります。大体の場合はスロットに入らないとも思います。

CNVi(Intel Connectivity Integration)とはIntelが開発したWi-FiやBluetoothの機能をCPUやチップセットへ統合する仕組みのことです。通信制御の主要な部分はCPU側のCNVi IPが担当し、外付けモジュール(CRF: Companion RF)は電波を扱うアナログな処理のみに特化することで役割を分担しコスト削減や、PC全体の省電力、省スペース化にも繋がると言われています。サイズはM.2サイズなので省スペース化はどうかと思いますが(既に省スペースなので)、主に役割分担での省電力化はあると思います。Ryzen機では使用できません。主に8世代以降のIntel機特化です。末尾が「1」(例:AX 211等)となっています。汎用のものはカードの切り欠きが2つあり、CNViはおそらく1つです。中には切り欠きが1つの汎用のものもありますが、そもそもPCIe接続の端子が合わないことが多いです。Ryzen機では型番末尾の数字が「1」ではないものを選ぶようにして下さい。

デフォルトで搭載されているモジュールでも問題があることもある

Ryzen機の場合でも標準で、MediaTek(MT7921/7922)や、Realtekのカードが載っていることが多く、これらは、

というような報告があるので、Intel AX210に換装するだけでこれら問題が改善します。またAMDとMediaTekが共同開発した AMD RZ608/RZ616 というモデルもあります。これらは実質MediaTek製です。わざわざこれに変える必要もなくIntel AX210を使用するのが一般的です。

wifi module

ご存知かも知れませんが、無線モジュールは短い方のM.2スロットに入れるだけで機能するわけではなくアンテナ線を取り付ける必要がありますが、変にこじってしまうと、はんだ付け(あるいはカプトンテープで貼り付け)しないといけなくなってしまうので、作業は慎重に真上からカチッとはめ込む必要があります。カチッと表現していますがそこまでカチッという感じでもないので力を入れすぎてこじってしまわないように細心の注意が必要です。

各ノートPCではどうなっているかを予め調べておく必要がありますが、アンテナ線の色の違いあるいはアンテナ線に1、2とシールが貼ってあるなどで取り付ける際に見分ける必要があります。上の画像はモデルは違います((これはLatitude 3000に入っていたCNViのものです。末尾は「0」ですが切り欠きが1つでした))が右上の赤枠にある所に、Main 2、AUX 1と表示があります。ここに対応したそれぞれのアンテナ線をつけます。とても小さいのでこれがまた大変です。

AX210に変更するとどうなるか

注文していたAX210が来たので付け替えてみての経験談です。無線親機が11nの規格であった場合、そもそも高速な通信はできませんが、PCがAX210によってWiFi 6Eとなると通信(電波)強度が同じ場所で使用した場合にでもノイズの影響や環境の問題をだいぶAX210が軽減してくれるようです。また6Eは本来、6GHz帯を使用することができるので、他の帯域に邪魔されないという特徴もあります。

体感でですが、T470sの無線カード(おそらく11nあたりの規格)では3時間かかる作業であったものが、内蔵カードをAX210に変えると1時間半かかるかかからないかぐらいで終えることができました。

速度自体はちゃんと測っていなかったので不明なものの、平均3~4MB/s(32Mbps)ぐらいであったものが、おおよそ半分で済むぐらいの速度なので7~8MB/s(64Mbps)ぐらいは出てたんだろうと思います。11nの規格では、72.2~150Mbps(9~18.75MB/s)、デュアルチャンネルでは144.4~300Mbps(約18~37.5MB/s)、規格上の最大は600Mbps(75MB/s)と言うので、諸々の環境を考慮して50~100Mbps(6.25~12.5MB/s)出ていたら結構出てると言えると思います。

試してみた所、ダウンロードソフトの計測で曖昧ですが、だいたい5~10MB/s出ていたようで、おおよそ11nの無線では標準よりやや速いぐらいの速度が出ていたと考えられます。ずっと上限張り付きっぱなしであればもっと速く作業も終わるのでしょうが、距離や障害物などの諸々の影響で速度は落ちます。

これ以上の速度を求める場合は11nよりも新しい11ac(Wi-Fi5)や11ax(Wi-Fi 6)の規格の無線ルーターが必要になります。その場合、例えば現状の無線ルーター(11nのもの)に、新しい規格(11ax Wi-Fi6)の無線ルーターをアクセスポイント(ブリッジ)モードに切り替えて、LANケーブル(CAT 5e以上)で接続し、PCからは新しい方の無線ルーターのSSIDに接続すれば、有線接続の速度をMaxにして、無線の速度は向上します

LANケーブルについてケーブルがカテゴリー5だと100Mbps用になり速度は出ません。5eであれば1Gbpsまで対応です。もちろん6でも大丈夫です。5eのeはenhanced(強化されたと言う意味)のeです。1Gbpsを通せるようにノイズ対策などが強化されています。

なぜこのようにするかですが、既に古い規格の無線に接続している端末がある場合に、全部を設定し直すのは面倒くさいのでこういう方法が取れるという例で書いています。親機のプロバイダーのID/パスワードの再設定、無線を繋いでるデバイスも再設定と面倒くさいですよね?もちろん親の無線ルーター自体を変えるのが全体的には最も良いですが、目的が今利用しているPCだけを速くしたいのであればこういう手法が良いと思います。

ただし注意点があり、11n世代のルーターの有線接続の速度は、その製品の価格帯によって1000Mbps(1Gbps)100Mbpsのいずれかです。これがGigaやハイパワーを謳っていたモデルであれば1000Mbps(1000Base-T/Giga)であるため、速度向上により速い(新しい)規格のルーターをアクセスポイントとして追加するのはかなり有効ですが、100Mbpsの安価モデルのルーターであれば有線接続自体がボトルネックになり、この場合は親機自体を変えるのがスマートとも言えます。その場合は面倒でも既存の無線に接続していたデバイスの設定をすべて変える必要があります。

有線で1000Mbps(1Gbps)接続ができるのであれば、これはアクセスポイントを追加するのが、設定がほぼ不要で専用のSSIDにもなって速度も向上するので一番賢いやり方かと思います。

新しいルーターがWi-Fi 6対応だとすると、有線接続よりも速い1201Mbpsが理論値となります。なので有線速度の1000Mbps(125MB/s)の限界に近い速度で無線通信が可能になるわけです。PCと新しいアクセスポイントにしたルーター間はもっと高速に通信できるわけですが、でていく所が有線接続となるので1000Mbps(おそらくもう少し低く800~900Mbps付近)になります。

この方法でも単純に考えても11nの時と比較で10倍程度の通信速度が期待できます。これまで1時間かかっていたものは6分で終わるそういう世界です。ただし人の操作が入ったり(ここがだいたい遅い)、諸々の待ち時間が入ったりで確実に1/10になるわけではないですが理屈の上ではそうなると言えるという感じです。ダウンロード先の指定や、サーバーでの混み具合など自身とは関係ない部分でも遅くなりますから。それでも速くなることは良いことです。

Kdenliveをインストールしてみるだけのテスト

通信速度が向上した事を受け、試しに依存関係が多いパッケージとしてKdenliveを入れてみました。動画編集ソフトはそれ単体ではそんなにサイズが大きいわけではないですが様々な依存関係(ライブラリ等)と、公式パッケージではあるけれども何かしらビルドする瞬間があるのを覚えていたので試してみたわけです。

CPUが格段に速くなったのと通信速度も向上したので、体感で2分かからずに(ほぼ1分程度で)インストールできました((各ファイルのダウンロードとインストール込みの時間です))。Linuxのパッケージマネージャは、開始するとずらりと依存関係のチェックなどもしてインストールされるファイルの一覧が表示されてから、インストールするかを問われます。ここで「サイズが大きいので別の機会にするか」とかとインストールをやめることもできます。インストールの意思を確認して、パスワードを入力しそれが正しければインストールが始まります。リストされたファイルをダウンロードしその後、インストールまで行うのがセットになっています。Windowsの場合はインストーラーをダウンロードしてそれらを起動してインストールが行われます。

こういう違いがあります。上記例ではparuを導入しての例を書いていますが、sudo pacman -S kdenliveが面倒なので使ってるだけでほぼ同じです。CachyOSではparuはプリインストールされているので別で後から入れる必要はありません。Windowsではインストーラーをどこからかダウンロードする必要があり、そういうのがやや面倒くさいです。そういった場合はLinux同様にchocolateyでターミナルからインストールすることもできます。

こういった違いはありますが、慣れたらどっちでも同じです。LinuxはGUIでインストールするためのソフトもあります。これはWindowsで言うMicrosoft Storeみたいなものです。Windowsはインストールの流れ的に大きな違いはありませんが、Linuxはパッケージマネージャー(GUI版)で、内部的な流れは同じですが操作がボタンを押すだけとなっておりだいぶ違うと感じることもあるでしょう。

これまでCachyOSでは、パッケージマネージャー(GUI版)にあたるOctopiが入っていましたが、現在はShellyに変更されました。公式パッケージだけではなくAUR、Flatpak、Appimageも扱えます。(まだ変更されたばかりでUIが英語のみというのもあり)使い勝手が良いかはまた別の話ですが。

まとめ

Linuxは古いPCの再生として今までは使われてきた部分も多々ありましたが、現状はこれまでとは状況が大きく違います。

こういった事から、今安く買えるいい感じの中古PCはWindows10で使うほうがいいが、OSのサポートが終わるんで、サブ機を既に持っている人はそれを用いて、これまで1台でPCを運用していた人はこれを機に、いい感じの中古を安く購入してモダンなLinuxでサブPCとして併用して使ってみてはどうだろうかという話なのです。

フランスやドイツ、中国ではWindows依存を減らしています。ニュースになったりしたのはフランスの全省庁でのLinux移行計画が始まっているというのがありました。フランスの国家憲兵隊(軍警察)では独自のLinuxディストリビューションを導入し10万台以上のPCで既に運用実績があります。

フランス、250万台のPCをWindowsからLinuxに移行へ–新たなシステム構成を予測してみる|ZDNET

海外では特にですが、クラウドを用いたサーバーやAIでの運用が日本より進んでいて、従来のようにWord、Excelの使用もあるものの、だいたいが入力端末としてPCを使用することも多くなっているのでOSがWindowsである必要が薄くなってきています。

すでにサーバーの世界では、Linux等のオープンソースのOSが9割使用されWindowsより覇権を獲っています。つまり見えていないところではほとんどがLinuxなわけです。個人のPCではWindowsの方が圧倒的にシェアは高いのですが、インターネットを切ったら途端に使える幅が狭くなりますよね。もう既にインターネットありきの社会になっているのです。

Windows専用のゲームや、アドビ製品、CAD、会計ソフトなど長年それ専門にやってきた所がいきなりなくなるということはありませんが、それ以外は既にWindowsである必要はなくなっています。LinuxやMacOSを触っていくと、Windowsである必要性はないとだんだん感じてくるはずですが、そういう機会が少なかったのは事実。今時の若者が「スマホで十分」という背景には、多くのことがAndroidやiOSでできると示唆しているわけですが、会社ではExcelやPowerPointがほとんどで、どうしてもWindowsを使用せざるを得ず、微妙な乖離(かいり)が生まれていると言えるとも思うのです。

もちろん「できること・できないこと」がそれぞれにありますから、臨機応変に使用するという前提でですが、どこにでもWindowsはありますから、いろんなOSに触れることで幅が広がると同時に、OSは何でも良くなってくると個人的には思うのです。移動手段を例にとれば、国産車、外車、車、バイク、大型車から小型、場合によっては公共機関も使う自由もあれば、どんな所にでも自分の好きなように移動できるようになるのと似ていると思います。そうなれたら良いと思いませんか?きっとOS問わず使えるようになるってそうことだと思うんです。

16GBのPCが2台ある方が、1台で32GB積むよりもマルチタスクの快適度は上になることも多いでしょう。Windows 10のサポート終了を控えた今、このLinuxによるサブ機活用術は、多くのユーザーにとって現実的で救いのある選択肢になるはずだと思っています。簡単なことなんです。マイカーとスクーターを持つ、そんな感じの事です。

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