コードは押さえるポジションもさながら不規則に見えてしまうわけですが、きちんと一定のルールに則って作られています。音楽的な事は後で覚えるにしてもとりあえずの知識として構成を覚えておくのもいいだろうと思います。
このページ書かれていることは、覚えたりする必要はありません。こんな事を覚えてもギターが弾けるようになるわけでもなく、弾けるようになってから覚えた方がよりわかりやすいと思います。そんなことも書いてあったなぐらいに思っていただけたらと思います。
基本となるコード
コードの種類 | それらの構成 | 例 |
---|---|---|
メジャー [ ■(表記なし) ] | ルート+3rd+5th | C[ ド+ミ+ソ ] |
マイナー [ ■m ] | ルート+マイナー 3rd+5th | Cm[ ド+ミ ♭+ソ] |
オーギュメント [ ■aug ] | ルート+3rd+aug5th | Caug[ ド+ミ+ソ# ] or C+ |
はい、もういきなりわかりません。そういうものです。日本では長・短であったり、増減などで表されたり三度・五度などと書かれていたりしますが、そういった学校教育のために無理やり日本語に当てなくても少なくとも数字ぐらいはわかるやろと。メジャーとマイナーもどういうことかはわかるはずなので、わかりにくいのは増減の部分だけだろうと思います。わざわざ日本語にする必要もないと思うのです。
意味を知るために日本語で準備をしていくことは必要かと思いますが、日本語である必要はありません。単語があるというのは言語的に優れていますがむしろ邪魔なので英語(外国語)のままで覚えておくべきです。そうすれば世界共通になります。
これらの説明はこの後書いていくのですが、基本的にはこういうものだとして下さい。
それらの構成の説明
表の見方としては、メジャーコードはルート音
に3rd
と5th
の音を加えたもの(重ねたもの)と言うことで、例えばコード「C」であれば「ド+ミ+ソ」だと表しています。
どこかの記事で以下のような表を書きました。
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 1 |
これはピアノの鍵盤を思い浮かべてみて下さい。ミ<->ファと、シ<->ドの間には黒鍵がありませんよね?つまり基本的には黒鍵(半音)を 1 つ飛ばして次の音になるわけですが、ミ<->ファとシ<->ドだけは半音で次の音になるということです。
ルート:基本となる音。根音。ルートに音を重ねてコードは作られます。アルファベットとドレミで説明した各コードCDEFGAB等が相当します。
ルート音がドである時、3rdは「ミ」、5thは同様に「ソ」と言うのはこう言うことです。ルート音はキー(コード)によって変わります。
ルート音がレであれば3rdは「ファ」になりますが、ミとファの間は半音で次の音になるので3rdは「ファ#」になります。
全音|全音|全音|半音|全音|全音|全音|半音となっているのがややこしい所。5thは「ラ」になります。なので、コードDは「レ・ファ#・ラ」と言う構成になるのです。
コードはローマ数字で表せます
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8(1) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ | Ⅷ(Ⅰ) |
表のような書き方もあります。8は1つ上のルート音、つまり1オクターブ高いルート音になります。ドであればその上のドと言うことです。コードも同じことですから、例えばⅠm7
などと書けばルート音はその時のコード、CやD、Bなどが当たり、Cm7であったり、Dm7、Bm7とその時の1度のルートが何かで変わるわけです。
メジャーとマイナーの違いは3rdの音が半音下がっているかどうかなので、Cがルートである時3rdのミを半音下げればマイナーになります。あわせて言うと3rdの音が不明であればメジャーであるのかマイナーであるのかがわかりません。この特性を生かしたのが「パワーコード」です。
「Cがルートである時3rdのミを半音下げればマイナーになります」こういう表記は本来、Cがルートである時
は不要で、それに合わせてミ
も不要なのです。つまり3rdを半音下げればマイナーになります。だけで済むのですが敢えて面倒くさい書き方をしています。それが逆にややこしい場合もあるのですが。
拡張コード
コードの種類 | それらの構成 | 例 |
---|---|---|
セブンス[■7] | 基本コード+7th | C7[ド+ミ+ソ+シb] Cm7[ド+ミb+ソ+シb] |
メジャーセブンス[■maj7] | 基本コード+maj7th | Cmaj7[ド+ミ+ソ+シ] Cmmja7[ド+ミb+ソ+シ] |
サスペンディッドフォース サスフォー[■sus4] | 基本コード+sus4th | Csus4[ド+ミ+ソ+ファ] Cmsus4[X] |
アドナインス[■add9] | 基本コード+9th | Cadd9[ド+ミ+ソ+(ov+)レ] |
ディミニッシュ[■dim] | ルート+マイナー3rd±5th+6th | Cdim[ド+ミb+ソb+ラ] |
オンコード[■/△ or ■on△] | 基本コード+ベース音 | C/G[ド+ミ+ソ+(ov-)ソ] |
sus4に関して言うと、3rdの音を4thに上げる事になるので、Cmmaj7と言うのを考えた時、Cm自体が3rdの音を半音下げているにも関わらずsus4にするために4thに上げるなんて言う理屈は通らないためCmmaj7は存在しない。
A7とAm7の話
7thというのは、例えばC7やA7あるいはAm7など単に7と書かれているものを言いますが、これは 基本的には「短7度」 です。
1f | 2f | 3f | 4f | 5f | |
---|---|---|---|---|---|
E | |||||
B | C | ||||
G | |||||
D | E | ||||
A | |||||
E |
上記がAm7です。ここでちょっと待って!Aが1(ルート)とした時に7つ目は「ソ」であるわけだから短7度だとファ#になるのでは?と思ったりした方もおられるかも知れません。どこにも ファ#なんて出てこないじゃないか! という感じに。
これはとても鋭い指摘ですが、実際は少し考え方が違います。
Aメジャースケールを考えてみた時((楽譜でAが出てくるようなものには#がいくつかついていますがそれを思い浮かべて下さい。基本的には3<->4と、7<->1の間は半音で次の音になります。それ以外は全音で次の音になります。))に、次のような構成になります。
A | B | C# | D | E | F# | G# | A |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ラ | シ | ド# | レ | ミ | ファ# | ソ# | ラ |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 1 |
ここから7番目の音は 「ソ#」 というのがわかるかと思います。つまり、A7やAm7というのは、 Aに7度を加えたメジャーかマイナーのいずれかのコード ということなのです。7度の音は基本的には短7度つまり、(長)7度の音の半音下の音になります。よってAm7の7thは、Aを1度とした時に 7度はG# であるため、短7度にするにはその半音下、つまり「ソ」を加えると言うことを表しています。
(A|Am)+7thと書くとわかりやすいでしょうか?
こういうルールがあるため、Amaj7(メジャー7)などとわざわざ長7度を示したコードがあるわけです。AはAメジャーですが、Amaj7はAメジャーメジャー7ではなく、Aメジャー7 です。つまり7度をそのまま使うコードです。ちなみに、AMaj7=Amaj7=A△7(すべてAメジャーセブンス)です。曲のジャンルなどによって書き方が異なるだけです。
1f | 2f | 3f | 4f | 5f | |
---|---|---|---|---|---|
E | |||||
B | C# | ||||
G | G# | ||||
D | E | ||||
A | |||||
E |
Amaj7はこのような押さえ方になります。6弦からE-A-E-G#-C#-Eとなっているのがわかるかと思います。すべての音がE・A・G#・C#で構成されています。AのコードなのでA・G#・C#・Eと書いた方が良いのかもしれませんがギター的には、A・E・G#・C#という順番かも知れません。
本来のAは、
1f | 2f | 3f | 4f | 5f | |
---|---|---|---|---|---|
E | |||||
B | C# | ||||
G | A | ||||
D | E | ||||
A | |||||
E |
このように、前述したギター的な書き方としたらA・E・A・C#と言う構成になるわけです。しかし本来、コードAはラ・ド#・ミ((ルートのラに3rdと5thを加えたもの))なのでそれらの音がギター上で作られていると理解しておけばよいかと思います。
ここから考えてAmaj7は、Aをルートとしているので(前述したAメジャースケールで)7度はG#になります。しかし「基本的には7thは短7度」と言うルールの為、わざわざメジャー7th(長7度、Aの場合のG#)と命名してあるわけです。
ギターの場合はAを中・薬・小指で押さえた場合に、薬指を離して人差し指でG#を押さえることになります。この時に、小指が辛いかも知れませんが小指はそのまま薬指を離し人差し指を差し替えるだけなので人差し指をフリーにしておくと色々便利という理由はこのあたりにもあります。
一方で、Aを中・薬・小指と押さえずに、薬指で少バレーをする押さえ方もあります。この押さえ方のほうが人差し指でG#(3弦1フレット)を狙うのは同じですが、薬指でC#(2弦2フレット)を押さえるだけになるので比較的簡単かも知れません。ただ少バレーに慣れるまでは難しいと思われるかも知れません。結果的に音がちゃんと鳴っていればどちらの方法でも構わないのです。なんならBなどを押さえる際に、薬・小指の小バレーでAを作っていたりしてそちらの方がやりやすいまであるかもしれません。色々とやりやすいやり方を探してみて下さい。
音程の命名ルール
音程には「長・短」「完全」「増・減」といった分類があります。完全系は1度、4度、5度、8度の音を言います。
半音下げ | 完全 | 半音上げ |
---|---|---|
減 | 変化なし | 増 |
Diminished | perfect | Augmented |
更に、長・短というのは、いわゆるメジャーとマイナーの事をいいます。これらは2度、3度、6度、7度の音を言い、長(メジャー)が基本形で、半音下がると短(マイナー)になり、更に半音下がると(ディミニッシュ)となります。
ここで勘違いしがちなのは、メジャーに対してのマイナーであり、メジャーが基本形ですからその音程から半音低いのがマイナーであり、マイナーの半音高いのものがメジャーになります。
♭というのが半音下げるからマイナー(短)というのではなく、♭はその音自体を半音下げる記号です。
まとめ
- オーギュメント(aug)はいわゆる「+5」と同じ(Caug=C+5)。つまりルートから数えて5度の音を半音上げると言う事(増5度)。
- メジャーセブンスはルートから数えて7度の音を加える。この時必ずメジャー(長)7thとなる(メジャーセブン=長7度)。
- サスフォーは4度の音を重ねる(完4度)。
- アド△thはそのままadd(=加える)と言うこと。表では9thとなってるが、11th、13thなどがあり、考え方としては任意の音を付け加えるということ。
- ディミニッシュは面白いコードで「C#dim=Edim=Gdim=Bbdim」、「Bdim=Ddim=Fdim=Abdim」は押さえる音の順番が違うだけで同じ構成音を持っている。
- オンコードはベース音を加えるということ。
この他にも「■-5」もしくは「■m7-5」は5度の音を半音下げたものを言う。つまり「■b5」もしくは「■m7b5」と同じ事。-5は「アルタード(alt)」とも言う。
これらの構成は別に今すぐ覚える必要はない。どちらかというとコード表などを丸暗記した方が覚えやすいのは確か。しかしながら、見たこともないコードなどが出てきた時、その構成がわかればコードを弾けるようになったり、また一般的な押さえ方と違った押さえ方を発見できるかもしれない。そう言う理由で覚えておいても良いだろう。