Hidekichi

CachyOSのPlasma環境の設定はどうなってるんだろうか

GNOMEの環境がどうも怪しかったのでPlasmaの環境を試してみた

なんか怪しい

GNOMEもPlasmaも最近バージョンアップしたばかりで、そういう時というのはゴタゴタがあったりするものです。予めのテストもあるはずなのでGNOMEだけPlasmaだけと言う環境であればたいていは問題は起きないと思いますが、私のようにHyprlandと併用していたりする場合は思わぬ問題に直面したりします。以前のバージョンであれば問題はなかったけれども、今回のバージョンではX11を廃止しWayland onlyの体制になったりでこれまでとは違った状況が生まれています。

GNOMEとHyprland

GNOMEで私が体験した最大の問題は拡張機能の挙動です。GNOME自体はibusの使用を勧めていてfcitx5などでもほとんどの場合問題ないのですが、

拡張機能が対応していないのに、kimpanelを入れるようにGNOMEの通知が来るというのもおかしいですし、拡張機能だけをキルできずにシェル自体が巻き添えになって起動できないのもおかしいとも言えるわけですが、GNOMEだけであれば起動して使用することもできます。

これらは元々が英語で作られているためが故の問題だとも思います。誰かがこの問題を報告しないと作ってる人も気が付かないという所でしょう。しかし外国人の多くは日本語を使用すること無くそのまま英語で使用するでしょうから問題が発覚せず、私みたいなのは毎度のことなので無視してしまいます。これを報告したら改善もされるのでしょうが、こういう細かい所の対応が遅れて、更にちょっとした事がgnome-shellが死んでしまうという大問題の引き金になっています。

対処方法としては別のデスクトップ環境が入っていたらそこからkimpanelを削除すれば良いですし、GNOMEが動作していたら拡張機能を停止するのもできます。

という対応でいけます。詳細はfcitx5の公式から見る2026年の設定事情のGNOMEの項に追記しました。

これでGNOMEとHyprlandのセッションの切り替えが可能になるかと思います。

スリープ復帰時の謎のキー入力不具合

しかしこれだけではない問題を孕んでいるような気がするのです。例えば、Hyprland環境でスリープから復帰時にBackspace、あるいは矢印、Windowsキー、ファンクションキーなどが一時的に機能せず、それ以外のキーは動作しているので作業も可能です。しかしこれらキーでは入力が受け付けられず、いずれかを押し続けると何かの拍子に機能するようになります。その後は普通に機能するため、何かしらがスリープ復帰時に正しく機能しておらず何かの拍子に機能し始める挙動としてはバックグラウンドで動作しているGNOMEの「何か」が問題をはらんでいると思うのです。

単体で機能していないだけではなく、同じような機能がバッティングしていてどちらかが有効になると機能するといった事も考えられます。それが何かは候補が色々ありすぎてまだ原因が判明してしません。

これらは以前のバージョンでは起きなかったことですし、もちろんBIOSにあるハードウェアのチェック、ライブISOではスリープさせるほど使わないので起きないですし、GNOME単体では特別問題なく使用できていたように思います。

これはGNOMEとCOSMICなどが入っている状態でも起こりました。原因不明であるため対処ができず、であればPlasmaではどうだろうかとPlasma環境を入れてみたわけです。Plasma環境ではGNOME由来の「何かしら」は入っていませんので、もし同様のことが起これば問題はGNOMEにあると判明しますし、Plasmaでも起こるとすればHyprlandかfcitx5にあるかも知れないとも言えると思います。これは引き続き注視していく感じです。

Plasma環境でfcitx5を使用する

CachyOSでの日本語入力の方法はfcitx5が最も簡単だと言われています。Fedoraでは試せませんでしたが、GNOME環境ではibus-anthyが入っておりそれらの設定をすれば日本語入力はできました。CachyOSではキーボードのレイアウト(英語配列か日本語配列)は選択できますが、どうすれば日本語環境が作れるのかと迷われてる人もいるかと思うのでそのあたりを解説したいと思います。

方法はとても簡単で、

  1. fcitx5を導入する
  2. それらの設定をする

だけなんですが、CachyOSではArch系なので、

sudo pacman -S fcitx5-im fcitx5-mozc

を、ターミナルで入れるだけでfcitx5は導入できます。その後、デスクトップ画面のボトムバーにある「KDEシステム設定」から、

選択するって2つあるけどってなりますよね?

fcitx5の選択

どちらのfcitx5を選ぶかですが、

このことから現Plasma環境(バージョン6.6~6.7)で必要なのは、「Fcitx 5 Wayland ランチャー (実験的)」の方です。

旧来の方法はもう不要:未だに「環境変数を三行書いて導入する」と紹介しているサイトが多いですが、既に不要になっています。
上記内容で「fcitx5」だけの方を選んでいた場合、小さな通知で「KWinを通じてどうの……」と来るはずです。これはつまり「もう既にWaylandに移行してるんで従来の方法ではないからfcitx5のwikiを見てね」と連絡をしているのですが、日本語も英語の説明もやや不備があり具体的に「どれを選択するのか」という説明していないため注意してください。Waylandに対応しているディストリビューション等で、fcitx5を使用する際には/etc/environmentに何も書かないのが現在の主流となっています。むしろ推奨されていません。理由としてはシステム最上流で設定が固定されてしまうと、PlasmaやWaylandが設定を書き換えようとしても書き換えられない事にあります。

入力メソッドの設定

「KDEシステム設定」のメニューで、下の方にある「入力メソッド」を開いたら初期段階では「キーボード - 英語」しか入っていなかったと思うので、

入力メソッド設定

ここで上に「キーボード - 日本語」、下に「Mozc」が来るようになっていればOKですFIX((画像ではオンオフが逆になっていますが、きっと日本語入力してる最中だったのだろうと思います))。記憶が確かなら「入力メソッドのオン」が上、「オフ」が下にあって、デフォルトでは「キーボード - 日本語」が有効に、Mozcは無効になっているはずです。つまり全角半角キー等を押せばそれらが入れ替わるということです。

「キーボード - 日本語」と書いてあると日本語が入力できそうですが、キーボードは「日本語配列」と言う意味合いです。これが英語になっていると配列が違うのでキーボードトップに印刷してある記号などが異なることになります。つまり、直接入力の状態でアルファベット、半角英数字・記号が入力できる状態です。

グローバルオプション(キー変更)とアドオン

次に下にある「グローバルオプションの設定」を行います。ここではどのキーを押したらMozcが有効になるかという設定をします。通常はCtrl + Spaceで、Windowsのそれとは異なるので、まずは全角半角で切り替わるように「入力メソッドの切り替え」でボタンをクリックしてキーボードから直接全角半角キーを押すと設定できます。Windowsと同じであれば全角半角ですが、更にキーを追加できます。「ハングル」とある部分を変更してもいいですし追加しても良いですが、オススメはスペースキー右側の「ひらがなカタカナ」キーです。

左手でIMEのon/offもできて、右手(特に親指)ですぐに切り替えられるのが便利かと思います。これは各々の好みや方法があると思うのでお好きに設定すれば良いところです。Macのように「変換」「無変換」と入力メソッドのon/offをそれぞれ単体で設定すれば、より入力環境が充実するかも知れません。

アドオンの項目では、古いX11アプリを使用する場合に、一番下にあるX Input Method(XIM)フロントエンドにチェックを入れるとWaylandに完全対応していない古いアプリでも文字入力のインライン表示(入力中の文字がアプリ内に直接表示される挙動)が安定します。他の項は特に気にしないでも良いかと。

なぜ仮想キーボードから選ぶのか

従来のX11環境やGNOME環境では、Fcitx5は「OS起動時に勝手に裏で立ち上がる一介のアプリケーション」でした。しかし、KDE PlasmaのWayland環境では、セキュリティと入力制御の観点から、コンポジター(画面描画・管理の主軸であるKWin)が直接インプットメソッドを起動・管理する設計になっています。

こういった仕組みになっています。

/etc/environmentに書くことの問題

X11の頃は、「/etc/environmentに三行書く」がお作法でしたが、それは既に過去のものになっています。古いソフトやX11ではそれが正しいわけですけれども、もう既にX11からWaylandへ移行が進んでいて、従来のように、

GTK_IM_MODULE=fcitx
QT_IM_MODULE=fcitx
XMODIFIERS=@im=fcitx

と、わけがわからない記述をする必要はありません。わけがわからないという事もないんですけども。GTKを使用しているソフトもQTのソフトもfcitxを通じて文字を入力せよということなんですが、/etc/environmentと言うシステムの最上流で書かれていることが問題の一つです。

理由としては、

  1. Waylandのネイティブな入力プロトコルを破壊する
  2. Flatpakなどのサイドボックス(隔離環境)のアプリを使う場合に、そのコンテナ内に古いモジュールが存在せず「日本語入力が一切できない」という場合がある
  3. 公式で、それら記述は空欄(設定するな)と推奨している

主に、こういう事です。

ただし、最後の1行XMODIFIERS=@im=fcitxだけは、現在でも設定する価値はあります。Waylandに対応していない古いアプリを使用する場合がある時に互換レイヤーでFcitx5を見つけるための唯一の方法だからです。古いアプリを使うのであればですけども既に古くなった仕様のアプリの大半に、同じようなことができ、最新の技術を用いたアプリが存在しているかと思います。なのでそれら新しい仕様のものを使用すればこの記述は不要ですが、現在の技術を持ってしても代替がないような古いアプリがあるとして、わざわざそれを使用する機会があるのであれば残す価値はあるのです。

フォントの設定

「KDEシステム設定」→「テキストとフォント」の項目からフォントなどが設定できます。フォントは好きなものを設定すればよいですが、その設定として、

とするのが定石です。

サブピクセルレンダリング

サブピクセルレンダリングはRGBで問題ないですが、デスクトップで使用する場合ディスプレイを「縦向き」で使用される方もいるでしょう。この場合、ピクセル配列が横を向くため、文字のフチに色にじみが発生することがあります。そういった場合は「なし(標準のグレースケール)」にした方が綺麗に見えることがあります。

ヒンティング

ヒンティングは、「軽く」か「なし」にします。文字の線を液晶のドットのピクセルグリッド(格子)に無理やり「カチッ」と吸着されて太さや輪郭をはっきりさせる技術です。これを「中間」や「完全に」に設定した方がクッキリしそうに思いますが、フォント本来のカーブや文字の太さのバランスが歪んでしまい、ガタガタした不自然な形状になってしまいます。

隠し要素

システムのGUI設定よりも裏で動いているfontconfigの設定ファイルが最優先されます。GUIの設定がうまく反映されないとか、もっと突き詰めたい場合はfonts.confで直接XMLを書いて設定します。

micro ~/.config/fontconfig/fonts.conf

を開きます。

上記はWindowsのテキストエディターのような感覚でターミナル上で操作できるmicroでやっています。一般的にはnano、モダンスタイルならfreshでもできます。CachyOSにはMicroがプリインストールされているはずですが、なかったらユーザーディレクトリのファイルなので適当なGUIテキストエディターでも何も問題ありません。むしろそっちのがわかりやすいまであります。

詳細はArch Wiki - font設定を参照して、Wikiのサブメニューにサンプルなどもありますので、自身で必要な形で適用してもらうという感じですが、以下のサンプルはシステム設定のGUIにはなかった設定が入っています。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<fontconfig>
  <match target="font">
    <edit name="antialias" mode="assign"><bool>true</bool></edit>
    <edit name="hinting" mode="assign"><bool>true</bool></edit>
    <edit name="hintstyle" mode="assign"><const>hintslight</const></edit>
    <edit name="rgba" mode="assign"><const>rgb</const></edit>
    <edit name="lcdfilter" mode="assign"><const>lcddefault</const></edit>
  </match>
</fontconfig>

lcdfilter(lcddefault)がそれですが、サブピクセルレンダリング(RGB)を有効にした際に発生しやすい「文字のフチの赤や青の色滲み(色収差)」を物理的にカットし、白黒として視認しやすくする超重要フィルターです。直接の設定だとこういった事ができるようになります。

ちなみに自身でフォントを用意する場合は、~/.local/share/fontsに入れます。ここで注意なのは、これらはユーザーディレクトリにあるためデスクトップ環境が起動してから使用できるフォントになります。デスクトップ環境が起動していないログイン画面などでは、これらフォントは使用できません。ログイン画面などでも有効にする場合は/usr/share/fonts/などにフォントをインストールする必要があります。ここはシステムファイルの範囲なので、sudo付きでインストールすることになります。

これら移動したフォントは、ユーザーディレクトリにあったものなので、所有権とパーミッション(権限)が一般ユーザーのままになっていることがあるため、システムが正しく読めるように調整します。

流れ的にはこうですが、こういう面倒なことはGUIでやる方が良いです。

  1. 「KDEシステム設定」で「システムフォント」を選択してから、下の方にある「ファイルからインストール」で該当フォントを選択します
  2. ダイアログが出てきて、選択したファイルを「開くと」インストールが始まりパスワードを求められますので入力します

これだけなので、特別難しく考えることでもありません。

どういうフォントを使用するかですが、デスクトップが起動してから使用するものと、デスクトップが起動していない場合でも使用するフォントでまず使い分けるわけですが、ローカルフォルダに入れるフォントはそのアカウントでしか使えないことも注意が必要です。アカウントを別で作った場合には、またローカルフォントは入れ直す必要があります。いずれのアカウントでも使用するのであればシステムにインストールするのが良いということです。

Plasmaがカスタマイズ性が高いと言われる反面設定がムズい部分

逆に設定項目が多すぎで「何をどうすればどうなるのか」がわかりにくいということもありえます。GNOMEでは自動的にやっていたことがPlasmaではそれさえ設定できてしまうというのは、MacとWindowsの違いにも似てるのかなと思います。

コンポジター(画面描画エンジン)の設定

GNOMEでは垂直同期(V-Sync)などの画面の滑らかさはシステムが完全に自動管理しており、ユーザーは普通いじりませんし、いじる必要もありませんが、Plasmaはここをいじることができます。

グラフィック関係の専門用語(レンダリングバックエンド、スケールフィルター、レンダリングブロック)等が設定できますが、動きがカクつくとか、動画を見ると画面に横線が入る(ティアリング)などでは、垂直同期のモード切り替えると改善することがあります。しかしゲームなどでは、ここの設定をいじるとそれがラグ(遅延)になり、どう調整したら最適になるのかが難しく、使用しているデバイスによっても最適な値は異なるため初心者泣かせな項目です。

ウィンドウルール

例えば「Thunarは常に画面の右側に特定のサイズで起動する」とか、「特定の動画プレイヤーは常にタイトルバーを消す」といったアプリ毎の挙動を制御できる部分です。制御できる代わりに100種類以上の項目を自分で組み合わせてルールを作る必要があるのです。やってられるか!と思ってしまいますよね。

しかしこれ、

  1. ターゲットにしたいアプリを起動
  2. タイトルバーを右クリック
  3. その他のアクション
  4. 特別なウィンドウ設定を設定…

で、アプリ情報が入力された状態で一発でルール作成画面に飛べます。一から全部設定するよりはグッと楽に設定できるようになるかと思います。

「アプリケーションスタイル」と「Plasmaスタイル」の違い

これらが独立しているため、例えばスタイリッシュなテーマを見つけてダウンロードしたのに、タスクバーの見た目は変わってもアプリ自体は普通のデザインのままだったと言うことはありえます。全てを統一したい場合は「グローバルテーマ」から一括変更するのが確実です。

2026年5月現在の所感・まとめ

CachyOSのPlasma環境は、Wayland移行後の日本語入力(fcitx5)設定が非常に洗練されており、Arch系ディストリビューションの中でも使いやすい部類に入ります。GNOME/Hyprland併用時のトラブル経験からPlasmaを検証した結果、以下の印象です。

日本語入力の完成度

昔から変わってないと言えばそうですし、fcitx5などの統合などが本当に便利になった事を考えても、最初から日本語入力ができるディストリビューション以外では導入の簡単さが一番最適化されているようにも思います。

Plasmaの強みとカスタマイズ性

Plasmaは設定項目の豊富さが魅力ですが、「何をどこで設定するか」がわかりにくい面もあります。

これらを理解すれば、細かく自分好みに調整可能。フォント設定もGUI+fontconfigで高品質に仕上げられます。

Hyprland併用時のベースDEとして最適

GNOME 50(Wayland-only化)やCOSMICなどで発生しやすい「バックグラウンドの干渉」やセッション切り替え問題を考えると、Hyprland + Dank Material Shellのベースなら、現段階ではGNOMEよりPlasmaを強く推します。

もちろん、単体使用であればGNOMEも十分実用的です(拡張機能さえ注意すれば)。しかし複数環境を併用したり、HyprlandをメインにするならPlasmaインストールをベースにするとトラブルが減ります。

残る課題と期待

現状ではGNOMEに不安も残りますが、問題が解消されたら個人的にはGNOMEの方が良いと思います。アプリの起動しやすさ探しやすさはOSにとって重要事項だと思います。その点がWindowsと似たインターフェースのPlasmaは弱いのではないかと。言っても同じようなことができるので、「好み」や「慣れ」による部分もありますが、利便性だけではなくスタイリッシュにも進化してくれると良いなと希望してます。

2026年5月時点で、CachyOSユーザーが日本語入力+Hyprland併用を快適に目指すなら、Plasma環境をベースに構築するのが最もバランスが良い選択です。細かいトラブルはありますが、Plasmaの柔軟性とfcitx5の統合が強力に支えてくれます。GNOMEの便利さも捨てがたいので、用途に応じて使い分けを。

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