Hidekichi

MintやUbuntuをWindowsの代替に使うのは止めてFedoraにしとこう

どうしてもそれが良いという場合はこの全てではなく…という体で、Dank Material Shellの設定とArch系を勧める話

前回の記事の補足的なもの

前回の記事(Thinkpad T470sを落として壊した僕は、ヤフオクでHP Probook 635 Aero G7を手に入れた)、で書きましたが、いい感じの中古PCなどを用いてWindowsとLinuxを併用してはどうだろうか?と提案したわけです。「じゃあ何を入れたら良いんだよ」となることでしょう。

世界的なトレンドをAIに聞いてみると次のようになりました。

順位 名称 系統
1 Ubuntu (Debian) → Ubuntu
2 Linux Mint Debian → Ubuntu
3 Debian
4 Fedora Fedora ←→ Red Hat Linux
5 Arch Linux
6 Manjaro Arch Linux
7 MX Linux Debian
8 Pop!_OS Debian → Ubuntu
9 Zorin OS Debian → Ubuntu
10 EndeavourOS / CachyOS Arch Linux

こうなっていることから、どうしても多く使用されるのはUbuntuであったりLinux Mintとなり、人の言うままに任せてそれらを選択してしまう事が多くなるのはしょうがないとも言えます。長いものにはまかれろではないですが、皆が使っているから良いと思う気持ちもわかります。

表から見てもわかるように、Linuxの最大派閥はDebian系です。UbuntuやMintもその一派です。表の「系統」は左から元になっているディストリビューション、派生したものが右へと書いてあります。

この表はGeminiに聞いて書きましたが、「本当に?」と疑ってしまうわけです。これを見る限り、実際に使ってる人の評価というよりは、使用期間の短い人が別の人のレビューを見て試してみたランキングに見えてしょうがないわけです。

だいたい初心者向けにMintやUbuntuを勧められることが多いですが、初心者の期間は然程(さほど)長いわけではなく、既にWindowsを使用していたのであればFedoraはWindowsよりは難しく思うかも知れないものの、全然わからないとかはありません。ちょっとした最初のステップをクリアしたら、どんなディストリビューションも使えるようになるという意味も含めてFedoraだと。

MintやUbuntuから始めるとそこに固執してしまうようになったり、初心者の期間が終わってもまた別のディストリビューションで覚えることがでてくるわけで、であれば業界標準を最初から使って、多少難しくとも最初から標準的なことを覚えるのが最終的に応用が効くようになるのではないかと思うわけです。簡単だという触れ込みで始めたのに、システムを壊してしまって簡単じゃないとなることが最大の問題です。これならWindowsの方がマシじゃないかと思うのは全然間違っていません。それは正しい感覚でWindowsっぽいものを使用するならWindowsでいいのは正しいのです。

かくいう私も最初はUbuntuでLinuxをはじめたと言っても過言ではありません。1か月も耐えれませんでしたけれども。そして例に漏れずMintにも行きましたがその結果、Windowsでいいやんとなったわけです。それはMintであればWindowsに寄せていたり、UbuntuであればWindowsでできることができないという事だったのです。今でこそLinuxでできないような事は減りましたが、当時は圧倒的にWindowsの方が使い勝手が良かったのです。

個人的なことを言うと、最初にMacintosh(PowerMac)から入ってWindowsに行き、Linuxも触りと一般的なPC遍歴とは言えないのでアレではあるのですが、Windowsに行ってからMacに戻ることはありませんでしたし、Linuxに浮気をしても戻る所はやはりWindowsでした。世がインターネット全盛になった頃はオンラインゲームも増えつつあり、どうしてもWindowsという選択しかなかったというのもあります。Macは今のMacOSになるまではソフト的にも数もなく、Windowsは圧倒的でした。Linuxでも人に勧められるような状態ではありませんでした。

しかし時代は変わったのです。

なぜFedoraを勧めるか

同じPCにWindows11とFedoraを入れてロボットで操作したテスト

https://youtu.be/KqtlpqeYhjM

日本語字幕、日本語音声可能なオートダビング版です。設定からそれぞれを選んでご覧ください。詳細な記事・画像は以下リンクのIt’s FOSS(英語)にありました。

Youtubeの概要欄和訳──実際のアプリやワークフローにおいて、Linux(Fedora)とWindows 11のど​​ちらが高速かを比較するスピードテストを実施しました。使用したのは、構成が同一のDell XPS 13(Intel Core 5 320、8GB RAM、512GB SSD)2台です。

掲載記事A Clanker Pitted Fedora Against Windows 11. Fedora Won, Mostly|IT’S FOSS(人間ではなく、厳密なロボットによる自動テストで Fedora と Windows 11 を直接対決させたところ、大半のテストで Fedora が勝利した)

クランカーとはテック系メディアやYouTubeチャンネルの「PhoneBuff」がテストに使用している自動計測用の「ロボット(ロボットアーム、または自動化されたマウス・キーボード操作システム)」のこと


Arch系ほど自己責任ということもなく、Ubuntu系ほどユーザーフレンドリーとまでは言えないまでも、「保守的すぎず、過激すぎない」いつの時代も今のLinuxの標準と言えるのがFedoraです。Ubuntuほど古くなりすぎず、Archよりもリリース頻度は遅いのでその分テストもされ、システムが壊れにくいというのもあります。またFedoraのバリエーションで、immutable(普遍的)な仕組みを持つものもあり、これはシステムなどのアップデートをしても成功するか更新しないかの二択しか無く、失敗した場合は更新されません。

先進的な機能をもつバリエーションもあり、Fedoraは様々なスタイルから選択できます。なので初心者はUbuntuやMintなどよりもFedoraを使用してLinuxの標準から入るべきと私は考えています。

UbuntuやMintを選ぶぐらいならFedoraだ

CachyOSを使用している自分が言うのはなんですが、Arch系のディストリビューションはひと頃より進化していて、

と言う状態にはなっていますが、Windowsから比べるとかなり事前に知っていなければならない事が多いのは事実です。

以前と比較してだいぶ簡単にはなってるものの「日本語入力の方法」、「フォントの設定」等と、基本になる事すら多角的に知っておく必要があるわけです。Arch系はいわば自己責任のディストリビューションばかりです。

こういう点から考えるとUbuntuはかなり簡単にそれら環境を準備できるようになっています。Mintもおそらくそうでしょう。

そう言いながらも、本心ではArch系がオススメです。

と、このタイプとリリーススタイルでないと頻繁に更新されるプロジェクトを追いかけるのは無理だとも言えます。しかし、確実なテストを繰り返して完全に安定しているという保証がそこにあるわけではなく、これも自己責任になります。個人的なイメージで言うと、ここ10年ぐらいで問題があったのはArch Linux自体が方針を変えたとか攻撃を受けていたとか、ポイントポイントでしか起こっておらず、たいていはそのままアップデートしても問題がないことがほとんどでした。ただ問題があった時は「ある」と考えるとそれらを修正できる知識が必要なことも間違いがありません。

問題が起こってもすぐに修正されたりするので気がついていないというのもあるかも知れません。アップデートはできるだけ間を空けずにやる方が良いのですが別に2週間程度放って置いても何も問題ありません。Windowsとは違って自分のタイミングでやるべきだと思った時にすれば良いのです。むしろ即座にアップデートせず少しだけ(2~3日毎とかと)間を開けるのは良いと思います。その間に誰かがアップデートを行い問題があれば報告していたり、修正されてることが多いからです。sudo pacman -Syuとして更新リストが表示されますが、それを見てやめることも可能ですし、アップデートしたくないものを選ぶことも可能です。無視リストを作るのは慣れていない人にとってやや難解な部分があるものの、取りやめるのはnキーを入れてエンター押すだけですから誰でもできます。

MintはUbuntuのリリースに合わせてアップデートされる固定リリースです。新しいバージョンのリリースがいつ行われるかは決まっており、それに合わせて開発・改善がされるのですが、よほど緊急でない限りは問題は先延ばし、パッケージは古いままなど、世の中には新しいバージョンのパッケージがでているのに使用できないということもあるわけです。

優れたプロジェクトの更新が停滞していることは少なく、それらを利用できることがArch系の強みであり、Ubuntu系の弱さでもあります。同じ環境を長く使いたいというのであればその全てではないのですが。

Arch系でやや時間を開けてアップデートするということを考えれば、Fedoraはむしろ丁度良い具合のタイミングでアップデートをリリースされているのではなかろうかと思います。Arch系の更新ファイルのリリースはユーザーも巻き込んでのできるだけすぐに届けるスタイルですが、Fedoraはその間にテストや情報を集めてからリリースするだけの違いではないかとも思うのです。即座にアップデートするArchのフットワークの軽さを利用しつつも2~3日ほど様子を見て美味しく利用するのと、Fedoraがテストして「問題ないだろうとしてから」リリースするのとは、どういう方法で、どういう経緯を経て、どのタイミングでリリースするかだけの違いです。

Arch系で痛い目を見た人なら「Archに戻りたくない」と考えるのもわかります。それらを踏まえて「Fedoraでいいんじゃない?」と提案したいのです。自己責任とは言いながら個人的には更新のタイミングですらいつでもできると言う、その自由さがあるArch系の方が好きなのです。

https://youtu.be/RkvoysTSnD4

この動画ではFedoraは新しいUbuntuになれるかと問いかけ、そして「多くの人がArchやUbuntuよりもFedoraを称賛している動画ばかりでもわかるだろう」と言っています。字幕を日本語にして確認してみてください。ArchかFedoraかは好みの問題ですけども「Ubuntuよりは」という点には賛成です。

FedoraはArch系ほど最新を追えるわけではないですが、Ubuntu系ほど遅いということはなく、いわゆるLinuxの標準と言えると思うわけです。

Linux部分は共通、同じデスクトップ環境でも違いを感じるのはなぜか?

答えはWindowsと同じ原因ですが、Linuxディストリビューションには種類があるので同じデスクトップ環境のGNOMEを使用したとしても、

独自に手を入れたモノがバックグラウンドで常に動いているため、同じスペックのPCでもUbuntuの方が「わずかにモッサリする」「アニメーションがカクつく」という現象が起こります。難しい部分を簡単にするため、より手間をなくすためなどと理由はあるでしょうけれども、そのために余計なものが動いているWindows状態とも言えます。

Ubuntuはパッケージの導入にSnapと言う形式を強要しています。一見良さそうにも思いますが、

などいくつかの使い勝手の悪さを生んでいます。FedoraではRPM/Flatpakと、伝統的な形式や業界標準のFlatpakを採用しているため、起動も早くデザイン崩れなども起こりません。

FedoraはWaylandPipeWireなどをいち早く完璧に統合しました。これらはUbuntuなどよりも常に1~2世代先をすすんでいます。

つまり、無駄が多すぎるWindowsのようなものであったり、古いPCを無駄にしないためのディストリビューションを初心者向けだという事だけで選ぶのが本当に良い選択なのだろうかと。Ubuntuは情報がたくさんネット上にあるから初心者向けだ。これは嘘です。ネット上にあるもののその多くは10年以上前の古い情報です。

例えば、旧車のオーナーがその車が故障したため、情報を知るために古い記事を参考にすることなどはあるでしょう。しかしPCで言えばそのような古いPCを使用している人がどれだけいるでしょうか?今出ているUbuntuの情報なら価値はあるでしょうが、昔の情報は知見を得るためのものではあっても、そのままでは使用できないことがノイズになってむしろ邪魔にはならないでしょうか?

使用している人が多い分、最新の情報も相対的には多くあるはずです。しかし初心者を呼び込んでいるディストリビューションでは使用している人も初心者が多いわけです。古い情報を参考にした人がその古い情報のままコピペしているのは、未だにfcitx5で環境変数を3行書くというのが蔓延している証拠でもあります。Plasmaではもうそれらは不要になり、GNOMEでも不要になりましたが、拡張機能を一つ追加しないといけません。これはGNOMEがiBusと強く関係しているからであってWaylandやfcitx5には問題はなく、キー入力は最重要なセキュリティ情報の元になるためGNOME ShellにiBusを統合すると言う考えだからです。しかしiBusをデフォルトで採用しているUbuntu(GNOME)では最新のFlatpakアプリ・一部のゲームで、入力がすっぽり抜ける・バグるなどの致命的な欠点を抱えてもいます。これを回避するためには、fcitx5を用い拡張機能を一つ入れると言う手間はかかるけれどもそうした方が良いと言う状況です。問題が起こる → 環境変数を書かないからじゃない? → 古い情報を参照する → コピペ。この流れは最悪です。誰かがWaylandではそれは違う、iBusを使用せずにfcitx5を使用して、設定はこうあるべきだとして提示できればいいのですが、それらを提示したり問題があるソフトにissueを投げたりできる開発者までではないものの「わかっている」人が、Fedoraを利用している人達と比べると圧倒的に少ないと感じています。

UbuntuのユーザーはWindowsのユーザーと同じ性質の人たちで、いわゆる消費者です。車を運転している人全てが技術者ではないのは確かですが、ある程度の所までできる素人というのはそういう中に複数人はいるものです。FedoraのユーザーはUbuntuユーザーよりも、ある程度までできる素人が多数いるのは事実です。

野球をしている、ウチは伝統校だと言っている小学生が集まっている野球チームが、初心者向けだと謳っているUbuntuの正体ではないかと思います。Fedoraは高校野球の強豪校みたいな感じです。現代野球の最新トレーニング(Wayland/PipeWire)をいち早く取り入れ、高校生なので学校の管理下(RedHatの品質保証)にあり、規律もあって、初心者がより高いレベルの野球を最も安全にできる場所であるとも言えるのではないでしょうか?

更に独立リーグのチーム、あるいはプロ候補にあたるのがArch系です。レベルが高いと言うよりは、それぞれがそれぞれの最高の考えやプレーでチームに貢献するような、Fedoraで学んだことを試してより良い環境を自分たちそれぞれが作っていくそういう感じです。いきなりここに到達するのは才能のある人たちだけとも言えます。だからFedoraからと言うのがわかってもらえるのではないかと思うのです。

Fedoraのデスクトップ環境

公式が最も力を入れているのはWorkstation、デスクトップ環境ごとに特化したSpins、immutable(普遍的)なシステムを持つAtomicと3層構造になっています。

エディション

エディション名 特徴等
Workstation 最新のGNOMEを搭載した、開発者や一般ユーザー向けの標準モデル
KDE Plasma 高いカスタマイズ性を持ち、GNOMEとの二大巨頭の一つ。
Windows10のような雰囲気もありLinuxらしさもある。
Server / Cloud /
CoreOS / IoT
これらはデスクトップ用途ではなく、インフラや開発の基盤としての専門的なエディションです

専用のデスクトップ環境が、「GNOMEとPlasmaと用意されているだけだろう?」と思いがちです。システムの根幹となる部分は共通です。デスクトップ環境を後に入れ替えて使用することも可能です。しかしこれらは開発者が意図とした純粋なGNOME、最も安定したPlasma環境を動かせるように特化して調整されています。公式エディションとしてFedoraがこだわりをもってファインチューニングされたものです。

Atomic

Atomicデスクトップ 特徴等
Silverblue (GNOME) /
Kinoite (KDE Plasma) /
Sway Atomic /
Budgie Atomic /
COSMIC Atomic
それぞれのデスクトップ環境をAtomic化したもの

Atomic化とはOS全体でひとつの完成済みイメージになっており、これをダウンロードして次回再起動時にシステム全体をそっくり差し替えます。OSの根幹部分は読み取り専用として保護されており、ユーザーやアプリがシステムファイルを書き換えて不安定にする事がありません。「Atomic」という言葉には、「成功して完全に反映されるか、失敗して何もしないかのどちらかしかない」という意味が込められています。これはアップデート中に電源が落ちてしまったなどのトラブルがあったとしても、システムが中途半端に壊れることはありません。もし最新バージョンで不具合が起きても、起動時のメニューから以前の「イメージ」を選ぶだけで数秒で完全に元に戻ります

通常はDNFでパッケージなどを入れますが、Atomicデスクトップの場合は主にFlatpakやコンテナを使用してコアシステムに影響が及ばない作りとなっています。Atomic化されていないSpinであれば、システムファイルも直接いじれて自由自在ですが、Atomic化されているとシステムファイルを直接いじるのには不向きになります。

「OS全体をひとつのイメージ」と考えると更新時などは巨大なデータをダウンロードする必要があるのではないだろうかと考えがちですが、差分だけを効率的に扱う仕組みがあり実際の通信量やストレージ消費は従来のOSと大差はありません。

  1. 「OSTree」による効率的な管理
    • 考え方としてはAtomic化はOS全体を巨大な一つの塊と考えますが、内部的にはファイルを細かく管理しており、OSのためのGitとたとえられることもあります
    • 同じファイル(カーネルや共通ライブラリ)が複数のバージョン間で変わっていなければストレージ上で共有されます
    • アップデート時は、現在の手元のイメージと新しいイメージを比較して変更があったファイル(差分)だけをダウンロードします
  2. サイズとストレージの実際
    • Atomic版は、現在のバージョンと一つ前のバージョンを保持しているため、その分だけストレージを少し多めに消費しますが古いバージョンは自動的に掃除されます
  3. アプリケーション(Flatpak)との切り分け
    • アプリはOSとは切り離された別の層で管理されます

『全体を入れ替える』と言っても、実際には変わった部分だけを賢く繋ぎ合わせるGitのような仕組みが裏で動いています。そのため通信量に怯える必要はなく、むしろ中途半端に壊れないという安心感を、従来のOSとほぼ変わらないサイズで手に入れていると考えれば、これほどコスパの良いシステムはありません。

Spin

これらは従来のデスクトップ環境をFedoraのシステムで動作させているものです。いわゆる従来のLinuxディストリビューションとも言えます。他のディストリビューションで言うところのコミュニティーエディションというものです。あるいはフレーバーです。

プロジェクト全体のコアメンバーではなく、そのデスクトップ環境(Xfceやi3など)を愛する特定のチームや有志が、設定やパッケージ構成を管理していますが、Spinと言われるには、公式インフラでビルドが行われ品質基準をクリアしたものだけに名付けられるFedora公認のコミュニティエディションという感じです。有志が勝手に作ったものよりは一段格上の信頼性があります。

Spin名 特徴
Xfce / MATE 非常に軽量で、Windows7的な雰囲気がある。
MATEにはCompizが備わっていて旧来のウィンドウ・エフェクト等が加えられている
Sway / i3 タイリングウィンドウマネージャーで非常に軽量。
キーボードドリブンとも言われますがキーボードでウィンドウ操作を快適にできるようになっています
Cinnamon Linux Mintのデフォルトデスクトップ環境をFedoraの最新パッケージで使用できる
LXDE / LXQt LXDEは旧世代、LXQtは新世代の最軽量デスクトップ環境です。
PCがあまりにも古い場合にはLXDE、比較的新しいが非力なPCにはLXQtという使い分けかと。
LXDEが仕様的にあまりに古いのでOtツールで新たに作られたものがLXQtです
Budgie モダンでシンプル。洗練されたUIを好む層向け
COSMIC Atomic化していない通常のCOSMIC。
2026年5月初旬のCachyOSではCOSMICデフォルトのアプリで日本語がまだ確実ではなかった。
従来のスタック型とタイル型へウィンドウの表示を切り替えられる
Miracle Miracle WM(ウィンドウマネージャー)は、Ubuntuを開発しているCanonical社が支援している
「Mir」というディスプレイサーバーのライブラリをベースに構築されたWayland対応の
タイル型ウィンドウマネージャーです

Fedoraのアップデート

FedoraのバージョンアップはGUIからボタン1つでもちろんできますが、ターミナルからでもできます。Ubuntuのように途中でCUIの画面に変わることはありません……とは言い切れませんが、OSが壊れることは極めて低いと言われています。

Fedoraは6ヶ月ごとにバージョンアップできますが、一世代スキップして13ヶ月のサイクルでバージョンアップ可能です。その間に色々手を入れたものが大したバージョンアップでもないのに失敗して無駄にならないようにターミナルからのバージョンアップの方法は知っておくほうが良いでしょう(大抵は不要)。バージョンアップ中、もしターミナルの画面になったとしても落ち着いて、メジャーバージョンアップのフローも、詳細も書いておくので順番に試して見てください。

アップデート、バージョンアップの方法

Fedoraの更新は、パッケージのアップデートと、メジャーバージョンのアップデートと2種類あります。

sudo dnf upgrade --refresh

--refresh毎回付ける必要はなく、キャッシュが古くてエラーが出た時や、最新のパッケージをどうしても使用したい時だけにつければ良いです。パッケージのアップデートは上記のとおりです。

メジャーバージョンのアップグレードは上記をした後、

sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade

アップデートプラグインをインストールし、

sudo dnf system-upgrade download --releasever=44

と、新しいバージョン(上記では44)をダウンロードします。もしここでカーネルがダウンロードされた場合(ファイルサイズがやや大きいので見ていたらわかるかと)は、ダウンロード完了後「再起動」をしてから次に進むのがLinuxの鉄則でもあり最も安全です。再起動は、

sudo reboot

でできます。通常はrebootのみで再起動可能でsudoは不要かと思いますが、色んな場合があるのでより確実な方を書きました。

古いバージョンのカーネルがメモリ上で動作している時に、次期バージョンのアップデートをダウンロードすると、稀にですが不具合が起こることがあると報告されています。

最終的に、

sudo dnf system-upgrade reboot

とすると、システムが再起動してアップグレードが始まります。

ダウンロード中、依存関係のエラーで止まってしまったら

サードパーティの外部リポジトリ(RPM Fusionなど)を入れている場合、ダウンロードコマンドで「依存関係のエラー」が発生して止まることがあります。そんな時は、

sudo dnf system-upgrade download --releasever=44 --allowerasing

--allowerasingのオプションを付け加えて再度試すと、「依存関係がどうしても解決できない古いパッケージがあれば、安全に削除してアップグレードを続行する」というふうにできます。対象となる外部リポジトリのファイルは削除対象になりバージョンアップ後は使用できない状態になるかも知れません。しかしそれら特殊な使い方をしている人はそのやり方自体、あるいは別の方法なども知っていると思うのでバージョンアップのために一時削除するというのは妥当です。

メジャーバージョンアップのフロー

バージョンアップのフローとしては、

  1. 既存システムの最新化 → sudo dnf upgrade --refresh
    • 前述しましたが--refreshは普段は不要
  2. プラグインの準備 → sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
  3. 次期版データのダウンロード → sudo dnf system-upgrade download --releasever=44
  4. 再起動と適用 → sudo dnf system-upgrade reboot

Arch系や他のローリングリリースはメジャーバージョンアップという観念はありません。しかし他のディストリビューションはこのように手間がかかるのが一番の難点です。これらをFedoraで体験しておきLinuxに慣れた頃、Arch系に移行しその良さを体感してください。

コマンド入力が面倒な時は、エイリアスを設定する

普段のアップデートが面倒だとついついGUIを使用しがちですが、実際はターミナルでやった方がすぐに実行できます。一通り設定が終わってからは普段からターミナルを使用しているわけではないと思うので、

だけとなるのでGUIよりは早いはずです。その際に、コマンド入力していたのでは時間がかかります。その内容も短いほうが楽ですし間違いもありません。なので次のようにしてエイリアスを書きます。

~/.bashrcというファイルがホームディレクトリ直下にあります。表示されていない場合はファイルマネージャでctrl + hを押して非表示になっている「.(ドット)」から始まるファイルを表示しておきます。テキストエディターあるいはターミナルからならnanoあるいは、入っていればmicro、モダンなスタイルでならfreshなどを入れて置き、

nano ~/.bashrc

nanoの部分を使用したいエディターに変えてファイルを開き((テキストエディターで直接編集でもユーザーフォルダ直下のファイルなので可能))、

alias update='sudo dnf upgrade -y && flatpak update -y'

を一番下に追記します。その後、ターミナルから、

source ~/.bashrc

と入力すると、エイリアスが反映されるので、次回からはターミナルでupdateと入力するだけでシステムとFlatpakの更新が行われます。

DNFについて

もし使用しているバージョンが44以前で、新たにdnf5を入れておいて使用する場合は、

sudo dnf install dnf5

としてdnf5をインストールし、先程のエイリアスの設定を、

alias update='sudo dnf5 upgrade -y && flatpak update -y'

と、dnf5に変更すれば、Archのパッケージマネージャーであるpacman並の機敏さで更新できるようになると思います。バージョン44では既にdnf5に置き換わっているので、普段のアップデートは単に、

sudo dnf upgrade

あるいは、前述のエイリアスupdateだけで良いですが、dnf5としても問題はありません。もちろんパッケージのインストールなども同様です、

これは将来的にdnf6などに変わることもあるため手癖として入れて使用するのも安全策の一つだと思いますが、バージョン44では確実に変わっているのでdnfだけで良いわけです。

Arch系のパッケージ管理の簡単さ

ローリングリリースで頻繁にアップデートすることもあるArch系では、シンプルにかつ高速なアップデートが可能です。一般的には、

sudo pacman -Syu

でシステムのアップデートが行われます。UbuntuやMintでは、

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

という感じになります。&&の左側が成功したら右側も続けて実行すると言うことなので、まずパッケージリストを更新してその後アップグレードを実行という流れです。コマンド的にはめんどくさそうな記述ですが、これらはGUIで行えるような配慮もあります。もちろんそれはArch系でも通常は用意されています。

しかしArch系(CachyOSだけだと思いますが)なら最初からエイリアスが設定されていて、

update

# もしくは、

paru

とターミナルで入れるだけでsudo pacman -Syuと同じ事ができます。paruはエイリアスではなく、元々そういうものです。

以前は上記で良かったはずですが、CachyOSの最新版を見てみると、updateのエイリアスには、ランクミラーの後sudo pacman -Syuとなっています。毎回ミラーサーバーのランクつげをしてからアップデートを行うため、updateは時間がかかり、やや面倒なコマンドとなってしまっています。paruと入れるだけが最もシンプルです。

ターミナルでは履歴が残りますから、普段ターミナルを使用しない人であれば矢印キー↑/↓で履歴からすぐにシステムが更新できるわけです。しかもparuはAURの更新も同時に行います。更にAURだけの更新もparu -Suaで可能です。これらはどのディストリビューションでもそのディストリビューションのパッケージマネージャーのコマンドをエイリアスとして登録すれば、同じようなことができるわけですが最初から準備されているのがCachyOSが優れている点でもあります。

上の方でエイリアスは.bashrcに書くとしましたが、CachyOSのデフォルトshellはfishなので、~/.config/fishの中のfish.confに書きます。CachyOSの場合は、fish.confの上の方に「エイリアスの設定が書いてある、システムファイルへのパス」の記述があります。それらを読み込んでいるため最初から設定されたupdateなどのエイリアスが機能するということです。

これらにあわせてGUI版のパッケージマネージャーも用意されていて、それはUbuntuなどのものよりは簡素ですが、ボタンを押すだけのような簡単さでアップデートできたりもします。しかし多くの場合、ターミナルを起動させる方が速いという場合が多く、入力も簡単であるためシステムの更新にGUIを使用することはあまりないのではないかとも思います。

FedoraでDank Material Shellを導入してHyprlandで行ってみよう

Hyprland v0.54までのバージョンでの解説です。2026年5月11日現在、v0.55がリリースされておりconfigファイルでの設定方法が異なっている場合もあるので注意してください2026年5月13日追記CacyOSのアップデートをした所、Hyprlandは v0.55になりましたが特別設定を変えずともエラーも出ず使用できました。しばらくは何も考えず使用できそうです。しかし注視はしておく必要がありそうです。

CachyOSの記事でも何度か書いたDank Material Shellですが、これはFedoraでも使用できます。

準備としては、最初に最小限必要なものをGNOME環境などで入れておいてから、Dank Material Shellを導入する方が色々とスムースに行えます。後でThunarの色が白いままというののひとまずの対処法を書いてありますが、最初からThunarを入れておけばインストール後からダークカラーが適用されてます。

最初からGNOME(もしくはPlasma)で入れておくもの

よく見るパスで「~(チルダ)」とは通常は/home/YOUR-NAME/.local/であったり/home/YOUR-NAME/.config/であったりと書くわけですが、YOUR-NAME部分は各々で違うのでそれらをまとめて~/.local/などと表記します

.(ドット)から始まるディレクトリやファイルこれらは設定ファイルなどになり設定が終われば不要なので、普段の使用では非表示になっています。これは従来からの慣習で特別なものではありません

他にも必要に応じて。特にGTK3などのアプリは予め入れておくとよいかと思います。これらはfedoraであれば、sudo dnf install [パッケージ名]で、Arch系ならsudo pacman -S [パッケージ名]でインストールできます。またCachyOSのようにparuが入っているのであれば、paru -S [パッケージ名]でも行けます。

Arch系でfcitx5は、

sudo pacman -S fcitx5-im fcitx5-mozc

だけでいいですが、Fedoraの場合は、

sudo dnf install fcitx5 fcitx5-gtk fcitx5-qt fcitx5-configtool fcitx5-mozc

とやや長いです。一応念の為に追記しました。

DMS(Dank Material Shell)のインストール

他のエディション・スピンでも同じことですが、WorkStationのGnome環境で起動している所からターミナルで、

curl -fsSL https://install.danklinux.com | sh

と入れれば、インストーラーが起動します。

  1. enterを押してインストールを開始します
  2. NiriもしくはHyprland(最新バージョンではMangoWMなど他のコンポジターも使用可能)のいずれを利用するかと聞いてくるのでどちらでも良いですが、設定ファイルの書き方などが異なります。ここではHyprlandで書いていきますのでHyprlandを選択します
    • Hyprlandをインストールしたのと同じようにしてNiriも共存させることができますが、設定ファイルの書き方が異なるのでここでは書きません
    • Niriをインストールしてから起動させるためにはログアウトして、ログイン画面で右下のギアアイコンからNiriを選んでログインする必要があります
  3. 2の前後でターミナルを何にするかを問われると思いますが、どれでも良いと言えば良いものの、ひとまず私はGhosttyを選びました
  4. 後はパスワードを入れて待ってるだけで新しくHyprlandが入ります
    • インストールが終わったら、ログアウト→アカウント選択→ログイン画面右下のギアアイコンでHyprlandを選びます
    • パスワードを入れてログインすればHyprlandのセッションが始まります

DMSのインストールが終わったら

最初にすることはスケールを正しく設定して広く画面を使用するということでしょうか。

  1. SUPER + ,で設定画面を開きます。
    • SUPERとはWindowsキーのことです。場合によってはMODと言われることもあります。
  2. 設定画面が出てきたら、左側メニューから「表示」をクリックします
    • 一番上に「Configuration」というのがあるのでクリックします
    • Monitor Configurationというのが開きますが、その下にノートPCであればeDP-1と書いてある場所があります。そこのScale1にします。最初は1.25と、いわゆる「125%」で、ややズームアップしたサイズですが1にすることで100%表示になります。
    • 125%とかとデフォルトでなっているのは高解像度のモニターを意識しているのではないかと。フルHDであれば100%でよいと思いますし場合によってはもう少し小さくしてフォントのスケールアップをしてもよいのかも
  3. 左側メニューの一番上の「パーソナライゼーション」からフォントなどを設定します
    • フォントは自分好みのものがあればそれを導入すれば良いです。Fedoraはlibre officeが入っているのでそこで各フォントがどういうものかを調べてもよいですし((見比べたりが簡単なので))、調べるのが面倒ならOpen Sansで太さをRegularにしてフォントスケールで120%にしても良いと思います
    • DMSでは壁紙からアクセントカラーを抽出できるようにもなっていますので、壁紙が印象を変えるのに結構大事になります。壁紙を使用しなくてもそれぞれ好きな色で設定できますが、この辺りはお好きなように。
      • 壁紙からテーマカラーを自動で抽出するには、まず壁紙を選択した上で、メニューの「テーマおよびカラー」からAutoを選びます
      • Matugen Paletteで色の抽出方法を選択できます
      • ウィンドウの各コーナーが丸すぎるという場合も「ウィジェットのスタイル」からCornar Radiusをいい感じに調整してください
  4. SUPER + xでログアウトやシャットダウンのメニューが出るわけですが、左側メニューの「電源とセキュリティ」を開いて、Power & Sleepをクリックします。やや下の方に「電源アクションの確認」という項目がありますが、これをoffにします
    • これはSUPER + xで各種メニューを出してから、それらを指定秒数ホールドすると例えばログアウトとかシャットダウンができる仕組みです。使い始めならともかく慣れてくると即座にメニューを実行したいので、切っておく方が良いかと思います
  5. 別に必要はありませんがあると便利なものがDockです。トップバーもそうですがDockも「トップ・ボトム・左・右」(設定のままの表記)に置くことができます。
    • これらはアプリを置いておく場所です。大雑把に言えばランチャーです(LauncherはSUPER + spaceで開くのがアプリケーションランチャーなので一応使い分け)
    • 「ドックを表示」をオンにして「ドックを自動的に隠す」か「Intelligent Auto-hide」のいずれかを選べばドックの付近にカーソルが行けば表示されます
      • 「ドックを自動的に隠す」か「Intelligent Auto-hide」を設定していないとドックの高さの分スペースができてしまうのに注意

日本語キーボードから正しく入力するために

設定ファイルを書く前に、日本語のキーボード配列で文字が入力できるようにします。Hyprlandの設定ファイルは、~/.config/hypr/hyprland.confを開きます(→新Verでは、~/.config/hypr/hyprland.lua)。ユーザーディレクトリのファイルなので好きなエディターで開いて編集保存できます。

# 旧バージョン(Hyprland.conf)
input {
    kb_layout = us
}

新バージョンでは以下のようになっています。

hl.config({
  input = {
    --  empty inhrits XKB_DEFAULT_LAYOUT (libxkbcommon), fall back to "US"
    kb_layout = "jp",
  },
})

とある部分のusjpに変更します。Ctrl + Sで保存すれば即座に設定は反映されるので、日本語キーボードなのに英語配列であったものが正しく日本語配列になります。

fcitx5を使用できるようにする

キーボードの配列を直した上にSTARTUP APPSという場所があります。ここに、

# 旧バージョン(Hyprland.conf)
exec-once = fcitx5 -d

新バージョンでは、

-- DMS_STARTUP_BEGIN
hl.on("hyprland.start", function()
  hl.exec_cmd("dbus-update-activation-environment --systemd --all")
  hl.exec_cmd("systemctl --user start hyprland-settion.target")
  hl.exec_cmd("fcitx5 -d")
end)
-- DMS_STARTUP_END

とfcitx5の行を追記します。通常はこれで使用できるはずですが、まだfcitx5が動作していないかも知れません。SUPER + spaceでアプリ一覧からfcitx5を探します。タイトルの下の説明に「Fcitx5を開始する」とあるものを起動します。

fcitx5 設定というアプリで、設定をします。

Waylandコンポジターでキーが時々効かなくなる場合のfcitx5の設定の下の方に設定を書いています。Wayland寄りの設定で、デフォルトの状態でも動作すると思いますが、どういう効果がその設定にあるのかも書いてあるので参考までに。

  1. 入力メソッドタブ → キーボード日本語、Mozcと上下になるように項目を入れ替えます
  2. グローバルオプションタブ → 入力メソッドの切り替えで、どのキーでIMEを切り替えるかを選択してます。
    • ここはドキュメントを読んでないので正しく知りませんが「入力メソッドタブ」のキーボード日本語とMozcを入れ替えてるんだと思ってます。
    • 私はキーボード左上の「全角/半角」とスペースキー右側の「カタカナ/ひらがな」キーのいずれもで切り替えができるようにしています

何かしら文字が入力できる箇所にカーソルを入れてこれら設定キーを押すと、画面トップバーの右側左端にアイコンが出てくると思うので、アイコンを右クリックし、メニューの中にある「Mozcの設定」を押すと見慣れた設定ウィンドウが出てくると思います。普通の人はローマ字入力かと思うので特別変更する必要はありませんが、私はほぼ「かな入力」たまにローマ字入力というタイプなので、ここで入力方法をかな入力に変える必要があります。

必要であれば辞書登録なども。

おおよそこの程度です。もちろんFcitx5が予め入っている必要があります。

バインドを追加する

Hyprlandのバインドの設定ファイルは、~/.config/hypr/DMS/bind.confにあります(→ 新バージョンは ~/.config/hypr/dms/binds-user.lua)。主に設定しておくと便利なのは、ファイルマネージャーとブラウザぐらいですが、他に必要なものがあれば追加もできます。ドックなどもあるためにそのあたりは臨機応変に。

# 旧バージョン(bind.conf)
bind = SUPER, B, exec, firefox # Firefox
bind = SUPER, E, exec, thunar # thunar file-Manager

新バージョンでは、

hl.bind("SUPER + B", hl.dsp.exec_cmd("firefox"))
hl.bind("SUPER + E", hl.dsp.exec_cmd("thunar"))

これをわかりやすい場所に書いてください。HyprlandもNiri共に(書き方は異なりますが)設定は保存したら即座に反映されます。もし記述に間違いがあればこれも即座にエラーが上部に表示されますので、正しく書き直します。正しい書き方は公式WikiのHyprland Wiki(v0.54.0) - bind(最終バージョンはbind)で確認してください。

DMSのアップデートの方法

FedoraでのDMSのアップデートは、

sudo dnf upgrade dms

です。必要に迫ったら試してください。

Arch系であればsudo pacman -Syu dms-shellが正式ですが、paruが入っていればparuだけでokです。

DMSのアンインストール

使用してみたが、あまり気に入らなかったなどで削除したいこともあるかと思います。その場合arch系では、

sudo pacman -Rns dms-shell

で削除します。Fedoraでは、

# 安定版
sudo dnf remove dms # fedora

# gitバージョン
sudo dnf remove dms-git # fedora

と、ターミナルから削除して、起動しているサービスを停止させます。これは共通です。

systemctl --user disable --now dms

その後、バイナリファイルとshellの設定ファイルを削除します。

rm -rf ~/.config/quickshell/dms
sudo rm /usr/local/bin/dms

更にクリーンアップとして、

rm -r ~/.config/DankMaterialShell ~/.local/state/DankMaterialShell ~/.cache/DankMaterialShell

これで完全削除です。

ファイルマネージャーをThunarに変更した場合

ファイル(Gnomeのファイルマネージャー)では、設定したら普通に使用できると思いますが、設定しないと画面1/4サイズでフロートしているのでこれは使いにくいため、それらはGnomeで使用することにして、HyprlandではThunar(Xfceのファイルマネージャー)を使用している場合の話です。

ファイルマネージャーを変更するのは、GUIでパッケージを入れてもいいですし、ターミナル(SUPER + T等)を開いて、sudo dnf install thunarでも何でもよいですので入れます。Arch系ではsudo pacman -S thunarもしくは、paru -S thunarです。

DMSではThunarのバインド設定(いわゆるショートカット)がないので、設定を追加するまではSUPER + spaceでアプリ一覧から選択して起動します。しかし後から追加した場合、他のウィンドウがダークカラーが適用されているのにThunarだけ「白いままやん」となるかと思います。その際には、

# fedora
sudo dnf install adw-gtk3-theme

# arch
sudo pacman -S adw-gtk3-theme

を入れてください。その後、ターミナルから、

gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme 'adw-gtk3-dark'

とすればGTK3のアプリケーションは「ひとまず」ダークにはなります。こうならないためにもDMSを入れる前にThunarをインストールしておくのがベストです。

動画プレーヤーにMPVを導入した場合

MPV自体は普通にインストールするだけです。

sudo dnf install mpv

ですが、DMSを使用するということで、どうせならmpv-mprisも入れておくと色々トップバーのセンターからメディアの操作ができたりします。

sudo dnf install mpv-mpris

MPVの設定ファイル

~/.config/mpv/mpv.confだったと思いますが、MPVを導入すると設定ファイルが書けます((あるいは、起動するとディレクトリが自動作成されます))。次の設定ファイルはi3 第8世代〜第11世代向けに、私のPCの設定を元にしてAIに作ってもらいました。だいたいi3でも8世代付近の内蔵グラフィックであれば動作するぐらいになっているかと思います。

もし再生中にカクつきを感じる場合は、ターミナルで mpv を起動し、再生中に「i」キーを押してみてください。表示される情報の中で「Dropped Frames」が増えていなければ、そのPCで問題なく動作している証拠です。

# ビデオ出力とハードウェアアクセラレーション
vo=gpu-next
gpu-api=vulkan
# 第8世代以降のIntelであればvaapi(Linux)で安定して動作します
hwdec=vaapi

# バッファ・キャッシュ(メモリ8GB以上の環境を想定)
cache=yes
demuxer-max-bytes=200M
demuxer-max-back-bytes=100M

# 画質と負荷のバランス(i3向けに少しマイルドに調整)
profile=gpu-hq
# 負荷の高いewa_lanczossharpから、より軽量で高品質なspline36に変更
scale=spline36
cscale=mitchell
dscale=mitchell

# ディザリング
dither-depth=auto

# スムーズな再生
video-sync=display-resample
interpolation=yes
tscale=oversample

もし、より軽くするのであれば、

より高画質にするには、

という事もできます。具体的な設定は、自身のPCのモデル名などを追加してAIにどう変更するのが良いかを聞いてみるべきです。

シークバーをウィンドウボトムに寄せる

MPVを使用していて、動画の早送りや巻き戻しなどの操作中に、動画の字幕とかにバーが重なると邪魔なので、ウィンドウのボトムにピッタリ寄せます。設定としては、~/.config/mpv/mpv.confに以下を追記します。

osd-bar-align-y=1
osd-bar-h=2
osd-bar-w=60
osd-border-size=1
osd-color='#CCFFFFFF'
osd-border-color='#99000000'

localSendを使用するために

localSendは、Fedora Workstation(Gnome)を入れたら「ソフトウェア」アプリから検索するとすぐ見つかります。この場合、Flatpakでインストールされるはずです。こちらの解説では、公式サイトでAppImageでも配布されているのでこれらをGear Leverで管理するとFlatpakによるセキュリティ的な制限無くより楽に使用できるのでAppImageで進めます。Arch系の場合はAUR(Arch User Repository)というものがあるのでyay -S localsend-binあるいはparuを使用してparu -S localsend-binでインストールできます。

FedoraではCOPRリポジトリ(ネイティブなRPMパッケージ)という、Arch系で言うAURのようなものもあります。これは個人が公開しているリポジトリを利用するものなのであまりお薦めはできません。また公開している個人がアップデートのたびに追従できるかが問題ともなります。

AppImageでダウンロードして、更に便利にするためにFlatpakでGear LeverからAppImageの更新や起動を管理しようとすると、

  1. Flathubを最初に利用可能な状態にする
  2. localSendをダウンロードしておく
  3. Gear Leverを導入する
  4. Gear LeverからlocalSendを起動するとFUSEが足りないとメッセージが出るので別途導入

と言う手順が必要になります。

flathubを利用可能にする

Flatpakのsetupでは、使用中のディストリビューションで、Flathubの利用に必要なコマンドが書いてあります。

FlatpakはFedora Workstation(GNOME)、Fedora Silverblue(GNOME・Atomic)、Fedora Kinoite(Plasma・Atomic)にデフォルトでインストールされていますが、spinも「Fedora公式が管理するFlatpakリポジトリ」だけなので、flathub本家を利用できなかった場合にはターミナルから以下のコマンドを実行します。

flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://dl.flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

flathubが導入できたら本家からでもFlatpak版のlocalSendを使用することもできます。ここではAppImageでの解説で続けます。

Gear Leverの導入

前述したlocalsend公式からAppImageをダウンロードしておき、別途FlathubからGear Leverを導入します。

Gear Leverは、AppImageの管理や起動、対応していたら更新も可能になる管理ソフトです。

flatpak install flathub it.mijorus.gearlever

AppImageとGear Leverとは実行権限を与えるだけで全てがパッケージになっているのですぐに使用することができます。好きなところから実行できるので管理が大変になったりするので、Gear Leverから一括管理することで各々に実行権限を与える作業をせずとも良くなり、.desktopファイルも自動で作られるためアイコンなどをドックなどに置くこともできるようになります。

Gear LeverにAppImageを登録して起動できるようにする

ダウンロードしておいたlocalSendのAppImageをGear Leverから開きます。ダウンロードしたファイルはFedoraのダウンロードディレクトリ(~/ダウンロードあるいは~/Download)に入っているかと思います。

Gear Leverはアップデートで問題に直面した場合でも、以前のバージョンも保持してあり簡単にロールバックすると言う機能も備わっています。

FUSEが足りないとメッセージが出た場合

Fedora44の一部では、古いFUSE 2(libfuse2)のライブラリが完全に削除、あるいは初期状態で非推奨になりました。多くのAppImageがまだこの古いFUSEを必要とするため、起動しなくなっています。そのため、

sudo dnf install fuse-libs

をターミナルから実行して古いFUSE 2が実行できるライブラリを導入します。fedoraのドキュメントでは、

sudo dnf install fuse

と書かれています。fedoraの最新版ではより新しいFUSE 3に関連するパッケージが含まれていて、それらを強く推奨していますが、多くのAppImageがFUSE2を前提に作られており、FUSE 3では旧規格の古いライブラリが見つからないとなってしまう場合が多いという報告があります。そのため敢えて、sudo dnf install fuse-libsで対応します。今後多くのflatpakパッケージがFUSE 3に対応していけばFedoraの理想通りの方法で対応できると思います。

このようにして、localSend(AppImage版)を管理、利用する事が可能になります。

Flatpakはコンテナ化、サンドボックス化(隔離仕様)のバージョンですから、通常のバージョンとはやや動作が異なる場面があります。localSend(AppImage)は従来の公式配布のあるDebianやArch系の各ディストリビューションで使用するのと何も違いはありません。しかしFlatpak版はサンドボックスされた中で動くため、稀に同じネットワークの中にあるデバイスを見つけられなかったり、見失ったり、通信が遮断されてしまう場合があります。

基本的には、ユーザーディレクトリ(例えば「~/ダウンロード」等)のファイルをやり取りするのでほとんどはFlatpakでも問題が出そうな制限はありません。しかしWindowsやスマホから送信されたものを受ける時に、PCに内蔵された別のドライブで保存したい等と言う場合、エラーになる可能性を秘めています。こういった場合は、Flatsealなどで権限を解放するより手はありませんが、そうするとセキュリティ的に問題が出る場合もあります。

これらアプリは善意の元、作成されているので大抵は問題ないわけですが、導入するその他のアプリが必ずしもそうだとは限りません。せっかくのサンドボックス化されている権限を解放するということは、弱点を晒してしまう事にもなりかねません。そのため、この辺りはアプリを使用するそれぞれの考え方に委ねる部分ではあるものの、であればはじめからFlatpak的なセキュリティがないAppImageで何も問題ないとも言えるため、AppIageを利用する方法をlocalSendを題材に解説しました。

Firewallの設定

元々Windowsとの併用を考えているのでファイルのやり取りができるようにしておくべきです。そのためにはUSBにいちいち保存して付け替えてファイルの移動などは面倒です。かと言ってファイルのやり取りをするだけでSAMBAの設定をするのも面倒です。なのでlocalSendが一番良いかと思っています。

Fedoraでは1025番以上のポートは開いているので何もしないでも繋がるわけですが、ネットワーク環境でpublicゾーンが適用されている場合にポートが閉じている場合があります。そのため次のようにしてtcpとudpの各ポートを開け、ファイヤーウォールのリロードを行います。

sudo firewall-cmd --permanent --add-port=53317/tcp
sudo firewall-cmd --permanent --add-port=53317/udp
sudo firewall-cmd --reload

tcpとudpの53317ポートをそれぞれ解放して、設定を再読込し確定させます。

Arch系では、どんなファイヤーウォールが使用されているかによりますが、CachyOSであればUFWであるので、

sudo ufw allow 53317/tcp
sudo ufw allow 53317/udp
sudo ufw reload

となります。EndeavourOSManjaroもUFWだったと思いますが、GarudaはFedoraと同じfirewalldと思います。これらであれば上にあるそれぞれのコマンドで設定できます。これらとは異なるディストリビューションの場合は、それぞれのドキュメントで確認するかAIにでも聞いてください。

LocalSendでファイルのやり取りができるようになれば、サブPCとして役立つと思います。むしろ無いとやり取りが大変なので入れるべきアプリの一つでもあります。近隣のデバイスのみのlocalSendの垣根を超えてインターネットをまたいで(送信側と受信側をP2Pで繋いで)世界中の誰とでもファイルのやり取りができるAlterSendというアプリもあります。送る側にはAlterSendが必要で、送信用のリンクを発行する必要があるものの受け取る側はWebブラウザでも良く、相手に「アプリを入れてくれ」という要求をする必要もありません。そこまでして遠方の人にファイルを送る必要があればこちらの方が便利かもしれませんが、同じネットワークに接続していればファイルの送受信が可能ぐらいで丁度良い気もします。localSendは1対多のいわゆるマルチキャスト送信が可能なのもメリットの一つです。

まとめ

一見すると難しいと思うかも知れない内容でしたが、インストールもCachyOSで使用されているCalamaresのような最初に全てを選択してからインストールを行うのではなく、OSをインストールするのに必要な最低限の設定だけをして、デスクトップが起動してから細かく設定するという内容のものに変わってきています。

FedoraではAnacondaとインストーラーが採用されていて、不安になるぐらいサックリとインストールが終わります。おそらく細かな設定を後でする分、インストール時間も短いようにも感じました。だいたいの場合はダウンロード速度が速ければそれなりに全体の速度も早まるわけですが、前もって全てを設定しないだけで全体的にはおおよそ同じぐらいかも知れません。おおよそ15~30分ぐらいで終わると思います。

Linuxの場合、名前や諸々のインストール情報は後からでも変えられますが必ずパスワードが必要になるので、インストール時にそれらを間違うとデスクトップすら表示できません。パスワードを変えるにも元のパスワードが分からないと何もできなくなりインストールし直しになるので、これだけは確実に行うようにしてください。大抵の場合はアカウント名は文字が伏せ字になっていないので、そこでパスワードを入れてからコピペするのも一つの方法かと思います。次へ進む前に名前を入れ直せばよいわけですし。

パスワードさえ正しく入れられていたらだいたいの設定は変更できます。これはWindowsもそうだとは思いますが。

CachyOSで言うとファイルシステムとブートマネージャーを選択し、デスクトップ環境を選んで……と事前に知識が必要になりますが、Fedora Workstationであればデスクトップ環境はGNOMEに固定ですし、ファイルシステムはBtrfsと固定だったと思います。ということは、事前に知っておくことは少なく、ライブISOをUSBに入れ、USBから起動できる環境ができれば、おおよそインストールできますのですぐに使用できます。WorkstationでなくてもPlasmaエディションも同じような感じです。インストールを始める前にWi-fiに接続しておいたり、LANがある環境なら線をさしておいてインターネットに接続しておいてください。

こういった点からCachyOSよりは手軽に始められるような気もします。その変わりと言えばアレですが、Fedoraにはバージョンの観念があるのでその時になったら面倒くさいだけとも言えます。おおよそサポートは13か月と見たことがあるので、逆に忘れたような頃に来るというのがデメリットでもあります。13か月使用していたら色々と設定に手を加えていたりアプリが入っていたりでバックアップなども面倒だったりします。バージョンアップごとにクリーンインストールでも良いんじゃなかろうかと思うぐらいに面倒かもしれません。

それでも初心者向けで学ぶのではなく、標準から入るのはとても意義があると思うのです。始めは初心者向けの方が入りやすいと思いますが、前述したように結局後から学ぶことはたくさんあるわけで、なら最初からどまん中で始めるのがいいと言うことです。

フライフィッシングのキャスティングでもできるのであればダブルホールからやるべきです。いつまでもその場で練習していつまでも釣りができないのはどうなんだと。ギターを弾き語れ!でも書きましたが、漫画ベルセルクのガッツが、剣の修業を見てあげていたイシドロに対して、基本は毎日やってるじゃねぇか、達人になってから戦場に行くつもりかというようなことを言います。つまりこういうことなんです。

初心者向けという言葉に騙されず、ちょっと踏み出してみれば案外上手くいくもんですよ。

https://youtu.be/WD-8-BW1erg

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